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菜々緒が悪女イメージを逆手にとった大胆な役選び。“キャリア史上NO.1”の新キャラとは

なぜか社会派ドラマのようにも見えるから不思議

 鷹野ツメ子は、無能は無能でも愛すべきキャラクターとして描かれており、トンチンカンなことばかりをするのが笑いを誘うのです。
 しかも、一見するとなにも考えずに気楽に笑えるドラマなのですが、深読みすると現代社会に一石を投じる問題提起もされているように感じるという、“浅いのに奥深い”という良質さも垣間見えました。  現実社会でも鷹野のような人材を無能だと決めつけてしまう人のほうが無能だし、有能な上司や先輩ほど鷹野のような人材の才能を引き出してあげられるのだという、気づきが得られたのです。  いずれにしても、ダイバーシティ(多様性)が重んじられる現代を映し出した、社会派ドラマのようにも見えるという不思議な作品でした。

『無能の鷹』鷹野ツメ子の菜々緒は圧倒的に「かわいい」

 いままで悪女キャラとしごできキャラで俳優として存在感を示してきたため、菜々緒さんは「きれい」と評されることが多かったと思いますが、『無能の鷹』の彼女は圧倒的に「かわいい」。  彼女のきれいさを引き出した作品は数あれど、ここまで菜々緒さんのかわいさを引き出した作品はほかになかったでしょう。
 そう、『無能の鷹』は菜々緒さんのパブリックイメージを覆して新境地を開拓した作品であり、演じた鷹野ツメ子は“菜々緒史上NO.1”のかわいいキャラクターだったと言っても過言ではありませんでした。  こうして積み上げて来た役者人生を見事に“フリにした”ような『無能の鷹』は、菜々緒さんの新たな代表作になったのです。 <文/堺屋大地>
堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』(扶桑社)で恋愛コラム連載、『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。公式SNS(X)は @SakaiyaDaichi
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