――なるほど。自分の適性を知るために大切なことはなんだと思いますか?
菅野:とにかく試すこと、かな。これまで気になることはすべて試してきたと思います。やらずに文句を言う人にだけはなりたくないから。やったこともないのにグチグチ言うのって、かっこ悪い。
一旦なんでもやってみて、合わなければすぐにやめたっていい。自分を責めなくていいんです。そうして試行錯誤を続けていったら、自分だけのトリセツができていくんじゃないかと思います。
――自分の適性を見つけるためには、手足を動かして行動することが大切なんですね。
菅野:黙っていたら、せっかく広がるはずだった世界がそこで止まっちゃう。
今は画面上でいろんなものが見られるけど、足を使って飛び込まないとわからないことってたくさんあるんです。だから、少しでも気になったら飛び込む。目の前に変化と不変があったら、迷わず変化を選ぶって決めています。
――とても勇気のある選択肢だと思います。もともとアクティブな考え方をされていたんですか?
菅野:全然! 昔はスーパーインドアで、自分の世界にこもるタイプでした。でも、ある日内省のフェーズをやりきったな、と感じたんです。だから、「次は外だ!」って。
やりたいことがない、何をしたらいいかわからないって人も多いけど、何も好きじゃない人なんていないはず。
ごはんを食べていたら美味しいと感じたり、なんとなく好きな曲と出会ったり。人生にはヒントがたくさんあって、それに気づけていないだけだと思います。
――たしかに「好き」って意外と身近なところにあるものですよね。
菅野:もう1つ私が意識しているのが「視点をずらす」こと。昔から音楽が大好きで、自分でも挑戦してみたことがあるんですけど、向いてなくて。
それでも音楽に携わりたくて、関わり方の視点を変えてみたことで、いまはラジオ番組のパーソナリティとして、アーティストを応援することができています。
今まで様々なプロデュースの仕事もさせてもらっています。私はパティシエじゃないからかき氷は作れないけれど、アイディアはたくさん出せるからかき氷のプロデュースができた。
設計士じゃないから間取りは書けないけれど、空間やデザインを考えるのは好きだから、住宅をプロデュースできた。こうやって“ずらし癖”をつけると、自分の世界が広がる気がします。