──青空家、柴村家、それぞれの夫婦の会話もとてもリアルに感じました。
しろやぎ:状況が決まればセリフは出てきやすいのですが、夫婦の何気ない日常会話などは考えるのが難しいですね。
──会話といえば、本作は心の声が多く、そのキャラの心情が描かれるシーンが珍しくありませんでした。心の声を決めるうえで注意したことはありますか?
しろやぎ:実はそこまで深くキャラクターの背景を決めて描いてはいないような気がします。荒い言葉が出てきやすい状況なので、「全部のキャラクターが根は悪くない人にしよう」とは気をつけました。
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いじめの被害者、加害者、傍観者、それぞれの親たちの複雑な感情が、読者の心に迫るリアルさで描かれた本作。しろやぎさんの絶妙なバランス感覚があったからこそ、各登場人物の視点でいじめについて考えることができるのだろう。
<取材・文/望月悠木 漫画/しろやぎ秋吾>
望月悠木
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):
@mochizukiyuuki