八代亜紀さん私的写真を“お宝”特典扱いする追悼アルバムに批判殺到「間接的な性暴力」「リベンジポルノでは」
女子刑務所を慰問、女性の痛みに寄り添った八代さん
八代さんは元マネージャーで個人事務所社長の男性と1994年に結婚し、2021年の芸能活動50周年の節目に熟年離婚。70歳という高齢になっても、自分の望む女性としての生き方を貫く姿勢を見せていました。 また社会的弱者にも眼差しも向け、被災地や老人ホームなどで訪問公演するなどボランティア活動も盛んに行っていた八代さん。 1981年からはライフワークとして女子刑務所での慰問公演を始め、その後40年近くかけ日本全国のすべての女子刑務所への訪問も達成しました。 女性の心の傷や痛みに寄り添い、八代さんが「あなたたちがここにいるのは男のせいよね」と声をかけ、八代さんの歌を聴いた女子受刑者たちが咽(むせ)び泣いていたという逸話もよく語られています。
本人の意思もないヌード掲載は尊厳を踏みにじること
女として生きる苦しみを歌や活動を通して支えてきた八代さんの追悼アルバムで、本人の意思決定もないままヌード写真が掲載される。ファンはもちろん、八代さんに支えられた女子刑務所の元受刑者たちも筆舌に尽くし難い悔しさや悲しみがあるのではないでしょうか。 芸能界全体で女性への性暴力が社会問題となっているこのタイミングで起きている今回の騒動。お金のためなら故人だろうとこれまでの恩があろうと、1人の女性の尊厳を平気で踏みにじる音楽業界の慣習も透けて見えるようです。 どうにかこのベスト盤は発売中止に至ってほしいと願わずにはいられません。 <文/エタノール純子>
エタノール純子
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中
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