デザートの杏仁豆腐を待っているときのこと。彼が、「改めて誕生日おめでとう」と、細長い黒いケースを差し出しました。
「ネックレスだ、と思ったんですが、箱に入ってなくてそのままだったので違和感ありました」
中を開けると、チープな輝きの銀色のネックレス。ころんとして可愛すぎる形でボリュームのあるリボンに、青い石のようなものがはまったチャームがついていました。あまりにキラッキラな銀色は、見るからにメッキ。

「それ、ヒナの誕生石なんだよ。誕生石を身につけると幸運になるんだって」
と言う笑顔の彼を見て、素直に喜べない自分が嫌な奴に思えたというヒナさん。
「彼が私のために選んでくれたんだから、と思って、すぐにつけてお礼を言いました。
プレゼントを選んでる彼の姿を想像して、嬉しい、ありがとう、って心から思いたかったです。大好きな人から、身につけるものをもらうってすごく嬉しいはずだし……」
彼が利用している楽天市場を検索したら見つけてしまった
翌日、ヒナさんはそのネックレスをつけて出勤してみましたが、会社のお手洗いの鏡に写った30歳の自分と、チープな輝きを放つ可愛すぎるリボンのネックレスがあまりにもちぐはぐに感じたといいます。
箱もないそのネックレスの正体が気になったヒナさんは、まさかとは思いながらも彼がときどき利用していると聞いていた楽天市場内を検索。
「リボン 誕生石 ネックレス」のキーワードを打ち込むとすぐに、もらったネックレスを見つけました。値段は、5000円以下……。値段がどうこうではなく、ちょっと微妙な気分になりますよね。
結局、そのネックレスは彼と会うときだけつけるようになり、そのうち自然とつけるのをやめてしまいました。

写真はイメージです