育児で余裕がないからこそ、おもしろい文章を書いている
――育児をすると子どもの成長が楽しみな一方、大変なことも多いですよね。のんぴさんは、れんたろうさんの文章を読むことで育児の大変さが薄れたり、楽しさが増幅するような感覚はありますか?
のんぴ:これを見たからラクになるということはないです。だけど、夫は私と同じ目線に立って一緒に育児してくれています。その結果があの「ぴよログ」につながっているわけだし、息子と向き合っていないとあの文章は書けないと思います。そういう意味では、文章がおもしろいからというより、夫が育児してくれているから私の気持ちもちょっとラクになるという言い方のほうが正しいです。
――育児をするなかで女性側に頼りがちになるご夫婦は多い印象ですが、れんたろうさんはどうですか?
のんぴ:もう、100点満点中120点だと思います! 期待以上のことをしてくれるし、おむつ替えとか散歩とか洗濯とかすごく率先してやってくれるし、言わなくても動いてくれるので。
――育児には非常にパワーを使いますから、こういう長文をこまめに記録しているのはすごいと思いました。こんなふうにアウトプットすることによって、れんたろうさん自身も溜まっているものを発散しているのでしょうか?
のんぴ:気力が残っているわけは絶対になくて、本当に余裕がないからこそ文章にしているんだと思います。書かないとやっていられないぐらい(笑)。で、ただ真面目に書いてもつまらないじゃないですか? 「泣き止まない」とか「吐き戻した」とか「寝てくれない」とか、そういうのはいくらでも書けるけど、そういう事実にスパイスを交えておもしろく書くというのは彼なりのフラストレーション発散の方法なのかなと思います。
――大変なことこそ、楽しく表現した方がフッと気持ちが軽くなるかもしれないですよね。
――Xにアップされた画像を見るとマッチョなボディが確認できるんですが、れんたろうさんのお仕事はトレーナーさんですか?
のんぴ:全然違って、普段は某大学の職員として働いています。
――そうだったんですか。見たところ、れんたろうさんは普段からかなりハードなトレーニングをされていると思うんですけど、育児をすることでトレーニングに支障はないのでしょうか?
のんぴ:それが夫婦の中で一番話し合ったポイントです。夫は今年の夏にボディビルの大会に出るんですね。私が妊娠する前から彼はそれを宣言していて、育児を理由にその目標を諦めてほしくないと私はずっと思っていました。「育児をするから趣味をやめてよ」というのは、本当にナンセンス。だから、忙しい間でもどうしてもジムの時間だけは確保しようというのをベースに育児のスケジュールを組みました。
――その辺はお互いが助け合っているわけですね。
のんぴ:尊重し合っていると思います。お互いのやりたいことをできるように。私はサウナとかお酒を飲むのが好きなので、「飲みに行きたい」と言ったら行かせてくれるし。夫は週5ペースでジムに行っているんですけど、その時間は絶対に確保するように私も協力します。
――「ぴよログ」をXにアップするようになってから、フォロワーさんからはどんな反響が寄せられましたか?
のんぴ:「すごくいい旦那さんだね」と褒めていただけるコメントがほとんどです。
――やっぱり、女性からの反響が多い?
のんぴ:女性の反響がほとんどでした。子育て中のママが「旦那に見せて爪の垢を煎じて飲ませてあげたい」みたいな(笑)。たまに、男性から「これは見習わないとな」「こうあるべきだよな」という反響もありました。若い男性から「自分が子育てをするときは、こんなふうにしたい」というコメントもあった気がします。