「チャイルドシートには座らない!」息子がダダをこねて……
ところが、由加里さんと2人だけのときは大人しくチャイルドシートに座っている息子が、
「(チャイルドシートには)座らない!」とダダをこねはじめます。「危ないから座って」と説得する由加里さんを、夫がいつものように茶化します。

「夫は『チャイルドなんてなぁ、もう子どもじゃないって言ってやれ!』などと息子に言って笑いはじめました。このことで夫とはケンカになりましたが、
『運転手である夫の点数が引かれるだけだから』と私が折れてしまいました」
運転席には夫、後部座席には息子と由加里さんが着席し、どうにか出発。息子はチャイルドシートに乗らず後部座席でしばらく機嫌よくひとり遊びをしていましたが、信号待ちから発進しようとしたとき、
「おしっこ」と言って何を思ったのかドアに手をかけてしまいます。
「
嫌な音というか、風圧が変わったような妙な感じとともに血の気が引いているのがわかりました。半ドア状態で止まったため助かりましたが、夫はチャイルドロックもかけていなかったので、ドアが開いて息子が転げ落ちていてもおかしくなかったと思います」
いつの間にか震えていた手で息子を抱きしめると、勝手に涙がこぼれてきたという由加里さん。これには夫も猛反省し、いまでは、「約束やルールを守らないと、命にかかわることもある」などと教えるようになったといいます。
「でもこれは、息子に何もなかったから収まったようなもの。何かあったら一生許せなかったし、自分のこともずっと責め続けていたと思います。
たとえ誰かとケンカになったとしても、子どもの命にかかわることは絶対に妥協してはいけないと強く思いました」