“彼女いじり”を見かねた先輩のひと言で、空気が凍る
「飲みに行くというのにお金もないし、1人だと行きづらいと聞かないので、結局私もいっしょに向かうことになりました。蓮人はその人に認められたいと張り切っていて、店に行って挨拶を終えると、すぐに私のことを下げて笑いをとろうとしはじめたんです」

一葉さんが料理に失敗して炭のような煮物が出来上がったこと、寝起きが妖怪並みなど、とにかく失礼なことばかり。しかも、
「コイツはぁ~、ハイッ、ポンコツ彼女で~す!」と言って1人だけ爆笑するという、鳥肌が立つような寒い時間が過ぎていきます。
「さすがの蓮人も、まったく笑ってくれない先輩の様子に疲れたようでした。笑ってもらうのは諦めたようで、蓮人が注文用タブレットを手に取ったとき。
先輩が厳しい表情で『それは、いまどきの笑いじゃないよね』とグサリ。空気が凍りつきました」
さらに、「彼女や家族、大切な人のことを下げて笑いをとっていると、
芸人になるどころか、相手から愛想を尽かされてしまうから気をつけたほうがいいよ」と痛恨の一言。一葉さんは、「これで少しでも変わってくれれば」と希望を持ちます。
「でも蓮人は、すぐに『あ、財布忘れたんで、また来ますわ』とキレ気味に言うと、私の腕をつかんで退店。店から出てすぐに『あんなヤツ!』『クソが!』などと言い、帰り道でもずっと『
どうせ才能がないから芸人をやめたんじゃねーの?』とブチ切れていました」
そんな彼の姿を見た一葉さんは、ようやく目が覚めます。「
30歳にもなって人の言葉に耳を傾けられないしブチ切れる、これが本当の蓮人の姿。彼といっしょにいても幸せにはなれないだろう」と考え、別れを切り出したのです。