
「Best Friend’s Girl」(rhythm zone)
着目すべきは、今市隆二のカッコよさは、2010年の三代目JSBデビュー時から変わっていないということである。デビューシングル「Best Friend’s Girl」のジャケ写に写る今市も、ソロ活動開始当時の今市も、40歳目前の現在の今市も変わらずにカッコいい。
ソロアーティストとしての彼がライフワークとするR&B世界にちょうどいい表現がある。『ブルース・ピープル』の著者、リロイ・ジョーンズこと、アミリ・バラカがR&Bという音楽ジャンルを定義したこのフレーズ。The changing same。意味は、変わりゆく変わらないもの。
撞着表現だが、これはつまり、形(形式)は変わっても本質は変わらないくらいの意味合いである(今市のソロ4thアルバム『GOOD OLD FUTURE』が意味する「古き良き未来」も撞着表現)。
同様に、デビューから本質的に変わらないカッコよさに裏打ちされているからこそ、現在の年齢に応じて濃縮されたメロウネスを醸すことができる。
最近の今市の存在にはどうもR&B界の色男、カール・トーマスが見え隠れしているように感じるのもそのためだろう。
客員教授就任は、こうしたカッコよさの系譜を教育現場でも時間をかけて伝承し、洗足学園の学生たちにもカッコよさの真髄を伝えるためのしなやかな身振りなのではないかと思ったりする。
<文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修
俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:
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