「嫌にならず表現できれば、それは本人にとっても気持ちいいこと」

切り絵でシーラカンスを描く息子さん
――そうか、道具からインスピレーションを得ているんですね。
Uplanet:あとは、柴崎春通先生のいろんな色を使ったクレヨンアートや、ナオトキタムラ先生の動物の絵など、画家の方のYouTubeで見て影響を受けているのだと思います。
――気の早い質問ですが、息子さんが画家やデザイナーの方向に進んでいく可能性はありそうですか?
Uplanet:やりたい気持ちが強ければ、できるかもしれないですよね。ただ、こないだ『ブルーピリオド』(芸大・美大を目指す若者たちを描いた映画)を見ながら「ガチでやるのは大変な世界だね……」なんて話も2人でしたので(笑)。だから、趣味でもずっと描いていければいいなって思います。嫌にならず表現できれば、それは本人にとっても気持ちいいことなので。
――だからこそ、ランドセルが学校で褒められたのは息子さんにとってすごく良かったなと思いました。
Uplanet:そうですよね、下手したら怒られちゃうかもしれないので。絵ってすごくおもしろいものだし、本人がこれからも描き続けてくれたらうれしいなと思います。大きくなると周りの目や意見が気になり始めて自由に描けなくなっちゃうかも……と思うと、ちょっと寂しいですよね。
でも、皆さん褒めてくださって、それが本人にも自信になったようなのでありがたいなと思います。
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ランドセルに“跳ねるクジラ”を描いた息子さんは、この4月から中学生になっています。つまり、現実的な視点で将来が考えられる年代になったということ。
美術の道は厳しいでしょうが、これからも絵は描き続けてほしいと願うばかり。TikTokを見ながら、彼の今後の人生を陰ながら応援したいと思います!
<取材・文/寺西ジャジューカ>