
高級焼肉店で上ロースを注文すると、1皿2000円以上になる
加えて現代における日本人の食生活をみていくと、さまざまな物価上昇に賃金の伸びが追いつかず、食費が家計を圧迫している状況に陥っているのは、多くの人が実感をするところではないでしょうか。
2024年度に厚生労働省が発表した国民生活基礎調査の結果において、生活が「苦しい」と回答した世帯は59.6%。このうち育ちざかりである18歳未満の子どものいる世帯では65%にものぼる結果でした。
つまり多くの人々が生活苦を痛感していて、その中で国産のみならず輸入牛肉もこぞって価格高騰しているのですから、“財布のヒモを緩めて、気軽に焼肉を食べに行こう”という発想にはなりにくいのです。

おうち焼肉は最強の節約に。焼き加減をマスターすればおいしく食べられる
焼肉店倒産という事実は、消費者からすると必ずしも悲しいことであるかはわかりません。むしろ家計節約の救世主という観点から、“スーパーマーケットにおける精肉レベルの進化”は、見逃せないトピックスと言えます。
わかりやすく言えば、おうち焼肉のレベルが格段に上がっているということ。実は牛肉を一頭買いするスーパーが増えていて、“肉がいいスーパー”に注目が集まるようになっています。
例えば、テレビやネットニュースでもたびたび話題になるロピアやオーケーは、牛肉が自慢。ロピアでは4等級のオリジナルブランド「みなもと牛」などの牛を一頭買いし、希少部位までリーズナブルな価格で提供しています。
オーケーでは歩留等級A、肉質等級4または5に格付けされた和牛 (黒毛和種) を、 一頭単位買い付けすることでより安価に販売することを強みにしています。
この流れは他スーパーでも同様で、「肉が安くてウマいスーパーが令和の勝ち組スーパー」と言われるほど、スーパーにおける精肉レベルの向上には目を見張るものがあるのです。加えてスーパーのPB商品を中心に、コスパを重視しながらも、おいしい焼肉のタレが目立つようになっています。