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――投資詐欺に対する注意喚起のために作品を描いたそうですが、公開してからはどんな反響がありましたか?
ペぷりさん(以下、ペぷり):「怖い」「気をつけようと思う」という声がとても多かったです。「未遂に近い段階までいったことがある」という声もあり、ゾッとしました。2024年から新NISAがスタートして、投資初心者の日本人がたくさん相場に参加するようになり、「詐欺師たちが虎視眈々と狙っているんだろうな」と恐怖を感じます。
読者の方から「身近な人が同じような状況になっている」というメッセージが届いたこともありました。「今まさに大金を投入しようとしているので、何としてでも止めたい」というお話でした。
そのときはまだ漫画を最後まで掲載していなかったのですが、その後の展開や詐欺師の手口などをお伝えしました。また、連絡をくださった方と一緒に、「このまま入金するとこんな結末になる可能性が高いので考え直してください!」と説得したりもしました。その結果、未遂で引き留めることができたので、「この漫画を描いて本当によかった」と感じました。
――ペぷりさんが投資に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか。
ペぷり:私は結婚していて2人の子どもがいるのですが、価値観の不一致から夫とは将来的に離婚を検討しています。ただ、そうなったときの子どもたちの教育費に不安があり、「親の都合で子どもの将来を狭めたくない」という思いがありました。
そこで5年ほど前から少しずつ貯金を始めたのですが、私の収入では本当に少額ずつしか貯めることができませんでした。「離婚をしたい」「子どもに迷惑をかけないくらい貯金しなければ」という気持ちが日に日に募り、とにかく喉から手が出るほどお金が欲しかったです。そして2024年から、わずかな貯金を元手に新NISAで投資信託へのつみたて投資と個別株投資を始めました。

画像はイメージです(以下、同じ)
――投資詐欺に遭ったきっかけはSNS広告だったそうですが、興味を持ったのはなぜだったのでしょうか。
ペぷり:投資を始めた頃は見よう見まねで取引していたのですが、初心者なので損をしてばかりでした。SNS上で大きな利益を出している人を見るとすごく羨ましかったし、「投資のコツを教えてもらいたいな」と思っていました。そんなとき、無料で投資情報を教えてくれるという、LINEのSNS広告が目に入って、LINEグループに参加してしまったんです。「ちょっと怪しいかも」と半分警戒していたのですが、「投資の勉強になるかもしれない」という軽い気持ちでした。
――そのLINEグループの情報を信用するようになったのはなぜだったのですか?
ペぷり:情報を発信しているのは、グループ内で「先生」と呼ばれている人でした。先生の名前を検索してみると、投資の世界では非常に権威のある方だとわかって安心してしまいました。後からわかったことですが、「先生」は実在する権威ある人物の名前を勝手に名乗っていただけだったんです。何もかも偽りだとは夢にも思わず……。本当に考えが甘かったです。
「うまい話には裏がある」とわかっていたつもりで最初は疑っていたのですが、「こんなに著名な人が詐欺をしたら失うものが多いだろうし、心配はなさそう」と判断してしまいました。
さらに、先生が教えてくれた「次に上がる銘柄」を購入して、実際に利益が出たことが大きなきっかけでした。それまでは、グループに参加している人達が「先生の予想はすごい!」と崇拝しているのを「大袈裟に言ってるだけだろう」と一歩引いて見ていたのですが、「先生の予想は本当に当たるんだ!」と一気に信頼するようになってしまったんです。