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離婚準備金を投資詐欺で溶かしてしまった…詐欺グループをなぜ信用?本人に聞いてみた<漫画>

信頼を築いてから落とす、巧妙な詐欺の手口

女性とチャート 投資――実際に利益が出たら、嬉しくなって信用してしまいそうですね。 ペぷり:でも実は、それは詐欺グループが仕掛けた「仕手株(仕手筋と呼ばれる投機的な投資家グループが、大量の売買を繰り返すことで株価を意図的に乱高下させる銘柄のこと株式数の少ない小型株が対象になりやすい)」を悪用した投資詐欺の手口だったんです。 ある程度の投資の知識や経験がある方であれば、ファンダメンタルズ(投資対象の本質的な価値を判断するための、基礎的な経済データや情報)の裏付けがないのに、突然株価が上昇する低位株(株価が安い水準にある株式)は、「仕手株」だと判断して避けると思います。 でも投資を始めたばかりで、甘い蜜を吸ってしまった私は冷静な判断ができませんでした。先生の情報通りに株価が上昇するのを目の当たりにして、「実際にはこうやって、世のお金持ちはみんなインサイダー情報ありきで投資で稼いでいるのかもしれない」と思ってしまいました。そして先生やそのアシスタントたちに誘導されるままに、新NISAとは別の海外の証券会社で口座を開き、取引をするようになってしまいました。 ――詐欺グループの手口は、どんなところが巧妙だと思いますか? ペぷり:時間と手間をかけて寄り添い、少しずつ信頼関係を築いていくところです。当時、初心者だった私は、株価の値動きが怖くてたまらず、下落中は吐きそうになるくらい怯えていました。そんなときは、LINEグループで何度も不安をぶちまけたりしていたんです。LINEグループのメンバーは、そのたびに優しく対応してくれて、どんな些細な心配事にも丁寧に答えてくれていました。 しかし、LINEグループに参加して3ヶ月経った頃、「無料で提供できる情報は次が最後です」と告げられました。その頃にはすっかり先生の情報を頼りにしていたので、「選ばれた人だけが参加できる次のステップ」として、”永続的に銘柄情報を教えてもらえる有料版”に誘導されたとき「絶対に次のステップに進みたい」と思ってしまいました。しかし実際にはそんなものは存在しませんでした。私に大金を投入させるための「エサ」だったんです。 <取材・文/都田ミツコ 漫画/ぺぷり>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
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