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Netflix『新幹線大爆破』ムンムンの色気を封印した“43歳俳優”を何度も観てしまう。今までとまるで別人なのに

 4月23日から世界独占配信中のNetflix映画『新幹線大爆破』。配信されて以降、国内の「今日の映画TOP10」の1位を3週連続で維持し、配信されてから1か月以上が経過した現在もトップ5を死守している。

死と隣り合わせの状況に立ち向かう、JR東日本職員たち

Netflix映画『新幹線大爆破』

Netflix映画『新幹線大爆破』2025年4月23日より独占配信中(以下同じ)

 1975年に公開された高倉健主演の同名映画とストーリーがつながっており、リブート版と言える本作。何者かによって時速100キロを下回ると即座に爆発する爆弾が仕掛けられた、乗客乗員349名を乗せた新青森駅と東京駅をつなぐ新幹線「はやぶさ60号」を舞台にしており、死と隣り合わせの絶体絶命の状況に「はやぶさ60号」の本務車掌・高市和也(草彅剛)や、JR東日本新幹線総合指令所の総括指令長・笠置雄一(斎藤工)らが立ち向かう姿が描かれている。  ド派手な爆破シーンが多いアクション映画としてだけではなく、「爆弾を仕掛けたのは誰なのか」というミステリー作品としての要素も含む。さらには、JR東日本の全面協力を受けているため、電車のカッコ良さも十二分に感じられ、何度でも視聴したくなる。映画ランキングの上位をキープできている要因として、リピーターを多く獲得できていることも大きいのかもしれない。

登場人物の背景を「描きすぎない」ことで生まれる没入感

 見どころが盛りだくさんの本作ではあるが、登場人物の周辺情報をそぎ落としているところは面白い。主人公・高市は妻子持ちという設定ではあるが、家族の存在を感じられる瞬間はほぼない。車掌として乗客の安全のために行動している姿が主に描かれている。
Netflix映画 『新幹線大爆破』

Netflix映画『新幹線大爆破』

 新幹線の乗客で、ママ活不倫疑惑を報じられて“ママ活先生”と呼ばれるようになった衆議院議員の加賀美裕子(尾野真千子)も、「なぜママ活をしてしまったのか」といったことが掘り下げられることはない。また、爆弾を仕掛けた犯人が、犯行に至った経緯は多少は描かれているものの、あまり詳細に示されてはいない。  登場人物のバックボーンや相関図がイマイチわからず、「誰が誰にどのような感情を抱いているのか」ということはあまり説明されない。人物像が捉えにくいおかげで、むしろ「作中で直面する数々の壁を高市たちがどのように乗り越えるのか」に集中でき、没入感を得られたように思う。  また、斎藤工が演じる笠置の一貫したカッコ良さも本作の魅力の1つではないかと筆者は考える。
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“色気を封印した斎藤工”が、指令所の緊迫感を高める
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