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37歳で想定外に妊娠した私が区役所で「経済的な不安」を伝えると“まさかの対応”

大量の書類を順に説明されるも記憶できない

母子健康手帳 突然の妊娠で思考が止まっている状態だ。マタニティマークと共に大量の書類やパンフレットを渡され、さらに懇々と説明されてもあまり耳に入ってこなかった。  それよりもこの書類の量に面食らっていた。ADHDの特性で、大量のモノを目にすると優先順位がわからなくなる。ワーキングメモリ(脳内のメモ帳)も低いため、順番に口で説明されても、途中で最初の書類は何だったのか思い出せなくなる。記憶がポロポロこぼれ落ちていくのだ。  職員の説明を一通り聞き(ほぼ右耳から左耳を突き抜けていったが)、区役所を後にした。  帰宅後、先程の電話では金銭的な不安を訴えていた夫から「新しい家族を迎える準備をしよう」とLINEが入っていた。前向きに考えてくれたことに安心した。今まで夫婦別々の財布で家賃や光熱費、食費や生活費は折半。残ったお金はそれぞれのお小遣いだった。  浪費家の夫は給料全部を毎月使い果たして貯金をしていなかったが、私にはわずかだが貯金があったのと浪費家ではないので(使うのが怖い派)、急に出費がある際は私が立て替えていた。  そんなガバガバな財布事情から一転、夫はお小遣い制にすると言い始め、今後子どものためにかかるお金を計算してくれていた。私には算数LDがありお金の計算が苦手なので夫が頼りになる。

会社員の夫は育休が取れるとわかり、少し安心

 さらに夫は6か月間の育休を取ると言い始めた。私の両親は宮崎県在住で遠い上、昨年母が脳梗塞になってしまい後遺症が残っていてじゅうぶんに体が動かない。義父は既に亡くなっており義母は横浜に住んでいるものの、持病があり育児のサポートはできない。そのためワンオペ育児を覚悟していたが、夫の職場で育休を取る男性が増えており、会社側としても男性社員の育休を推奨しているとのことだった。  また、今年法改正があり、一定条件を満たせば育休中も、実質手取りに近い給付が受けられると知り、少し安心した。私はもう長いこと会社員でないため福利厚生について考えたこともなかったが、こんなとき会社員だとメリットが大きいのだと実感した。  両親にも妊娠の報告をすると喜んでいた。おそらく東京に出てずっと帰ってこない一人娘がやっと結婚したがこの年齢だから、もう自分たちは孫の顔を見られないと思っていたのであろう。経済的な不安に関しても「祖母が貯めていたお金があるので心配しなくていい」とのことだった。経済的な不安が軽くなり、心から安堵した。
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ADHD治療薬は飲むのをやめた
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