天才ピアニストなのにインパルス板倉きっかけで芸人に!ロシア育ち22歳女性が「一生わからない“あるある”」とは?
学校あるあるは一生わからない
――きりさんは2024年デビューで、まだ2年目なんですよね。
「はい。賞レースにも挑戦はしていますが、今はまだ結果を出せていないです。周りの芸人さん、みんなが面白く感じてしまいます」
――お笑いにおいて、ロシアと日本でのカルチャーショックのようなものはありますか?
「最初の頃は“あるあるネタ”が全くわからなかったんですよね。今はわかることも増えてはいますが、根本的に理解ができない“あるあるネタ”もたくさんあります。特に学校あるあるなんて、私には一生わかりませんし」
――ロシアというだけでなく、音楽学校という環境も相まって。
「でも、これはしょうがないと割り切るしかないですね。それに、ロシア的なユーモア感覚からのギャップも感じています。ロシアの笑いって日本人には刺激が強すぎると思いますよ」
――ロシアのお笑い……。どういったものなのですか?
「主流はスタンダップコメディです。男女差別、障がい差別みたいなネタもかなり多いですが、誰も傷つくことはない。そこはロシアには“差別する”という風潮が社会にもともとないのだろうと、プラスに捉えています」
――それは確かに、今の日本では難しそうな笑いです。
「養成所時代はよく『男なんて~』みたいなネタをして注意をされていました。ロシアでは普通でも、日本ではその言葉に傷つく人がいるって意識しておかないと、ポロっと出ちゃいそうなんですよね。同期の芸人には、『もし私がそういう発言をしたら指摘してね』って伝えています」
憧れのキンコメがいた事務所でよかった
――良い意味でのゆるさが魅力だった、と(笑)。
「実際、人力舎で良かったです。他の事務所だと過去の経歴を生かして番組に出たり、さらに伸ばしてもらえたりしたかもしれない。でも、私はピアノに未練はまったくないし、辞めたからにはそれなりの覚悟を持つべきだという考え方なんです。芸人として表舞台にはどんどん出ていきたいですが、元・ピアニストとしてとなると、それはどうかなと思っています」
<文・取材/もちづき千代子>もちづき千代子
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama
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