“狩猟用の罠”にかかってしまった黒猫を保護→3本足ながら元気になった“3年後の姿”にほっこり
退院後に驚かされた「脅威の回復力」
抜糸後は留守番時と就寝時のみケージで過ごしてもらい、他の時間は室内フリーにしていました。しかし、毎日寂しそうな声で鳴く姿に胸が痛み、術後2ヶ月目からは完全に室内フリーに。
「1ヶ月ほどは、片時も私から離れませんでした。クロちゃんは3本足での動き方より、外生活から室内での生活へ順応するほうが大変だったようで、お腹が緩くなったり、夜鳴きしたりしていました」
少しでも快適に生活してほしい。そう思い、飼い主さんはメンタルケアと並行して生活環境も整えました。猫用トイレは入りやすいよう、囲いが低いものをチョイス。初めは中でよろけないように猫砂を少なくしていましたが、排泄物が隠れるまで延々と砂かけをする様子を見て、他猫と同じ量の猫砂を入れるようになりました。
「座って食べるより伏せて食べるほうが楽なようなので、ご飯のお皿は低いものに変えました。キャットタワーは低めで、階段があるタイプです」
クロちゃんは爪とぎポールで立ち研ぎをしたり、他猫と同じスピードで追いかけっこを楽しんだりすることも。片足を失っても、猫らしい暮らしを謳歌しています。
ストレスフリーな多頭飼い生活の秘訣は「住み分け」
トラバサミの使用は「鳥獣保護管理法」で規制されており、違反した場合は罰金または懲役に処されます。また、犬猫など愛護動物の捕獲にトラバサミを使用すると「動物愛護管理法」に違反する可能性が高く、罰金または懲役に処されます。
ただ、そうした規制があっても、トラバサミにかかってニャン生が変わってしまう猫はまだ多いのが現状。動物愛護の精神が広がりつつある今だからこそ、悲惨な現状が広く知られ、動物の命との向き合い方を考えていきたいものです。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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