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草刈民代が「2か月で身長が2cm伸びた」32歳俳優明かす。バレエ指導で見えた“才能”とは

さまざまな角度からコーチすることで生まれる、俳優の探究心

戸塚純貴――草刈さんの自伝的エッセー『バレエ漬け』にこんな一節があります。「踊りたいという衝動は、言葉に変えられるようなものではなく、もっと感覚的な、本能のようなものではないだろうか」。これは本作の俳優さんがバレエに挑む初心にもなるのではないかと改めて思いました。 草刈:私の経験上、何かを習得するときに、どこまでのことをする必要があるのか、ということはなかなかわかることではないのです。ただ、一度本番を経験してみると、ここまでしないといけないんだということが感覚的にわかる。そして、次の日からはそこを目指して練習するようになる。頭の中が整理され、何をやればいいかという方向性がはっきりしてくるのだと思います。その意味で、『ゼンツァーノの花祭り』を踊る第2話が、八誠役の戸塚さんにとってひとつの転換ポイントだったと思います。おそらく、その経験を通して、もっと追求したいという気持ちが自然と湧いてきたのではないでしょうか。 稽古場と同じように踊っていても、モニターで見るとまだまだ中途半端に見えてしまうことはよくあるのですが、可能なラインに到達するまでの繰り返しの中で、バレエに取り組む面白さを見つけていったのかもしれませんね。実際、そのあと一気に上手になりました。さらに向上したいという探究心が湧いてきたのかもしれません。 今回の私の目標は、コーチをさせていただく役者さんみんなが、バレエを通じて新たなものを見出せるようなコーチングをすること。みなさんダンサーを演じることを楽しんでいたように見えましたが、それぞれに新たな発見があったとしたら、私も嬉しいです。

画面越しに伝わる空気感

吉澤要人――3人のバレエ男子役のうち、八誠の同期ダンサーである佐々木真白役の吉澤要人さんはバレエ経験者です。どんな印象でしたか? 草刈:経験があって慣れている分、普通に稽古ができるレベルにありました。彼はとても落ち着いた印象の人ですが、まだ21歳。もっともっと自分を解放して大きな表現ができるようになるはずだと思いました。 真白は、オーディションシーンで『ドン・キホーテ』のエスパーダ役を踊ります。真白は自分が踊りたいと言ってエスパーダを踊るのだから、エスパーダを踊りたい人の踊りに見せる必要がある。そのためにはここで勝負をかける気概のようなものが見えないと成立しない。そのシーンの撮影では吉澤さんに「もっとやっていい、もっとやっていい」と最後の最後まで言い続けました。 第7話で真白が八誠を煽るシーンがありましたが、あのシーンはとてもリアルでとても良かったと思っています。きっと、吉澤さん自身の思いが役と重なっていたのでしょうし、それが視聴者のみなさんにちゃんと伝わったのではないでしょうか。今回は、大東さん、戸塚さん、という経験豊富な先輩方と一緒にお芝居をしながら、毎回の撮影でいろいろなことを吸収していることが伝わってきました。 ――踊りを通じて芝居でさらに気を吐く。俳優という存在はすごいですね。八誠の元恋人ダンサー・上柳りさ子役の水上京香さんも同じくバレエ経験者です。 草刈:水上さんもとても真剣に取り組んでいました。あの一途さが役柄とリンクしていたと感じています。バレエ経験者ですから、何を軸にして演じるのか、はっきりとイメージができていたのでしょうね。
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『バレエ男子!』番組情報
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