――作品をビシッと締める、緊張感を与えてくれた存在だと思います。洋画でいうヴィランという立ち位置ですが、演技する前に準備されたこと、ご自身と共通する部分はありますか?
ク・ギョファン:私との共通点は、靴のサイズが同じで声も同じです(笑)。私は、ユニークですよね(笑)。真剣にお話しますね。
私も何かの作業をしていたり、演技をしていたり、映画作りをしていると、どうしても立ち止まってしまう時があるんですね。精神的にも肉体的にも、ちょっと立ち止まる瞬間が、誰しもあると思います。この映画の中のヒョンサンも、そういう状況だったと思うんです。ただそれを克服して、さらに夢を求めて進んでいったと思います。その点は、共通する部分だと感じています。
これは、普遍的なことかもしれませんが、どうしても物事を進めていくと、平坦な道だけではないはずです。物事というのは、ストレートに行き過ぎてサクサク進むときがあったら、ちょっと疑った方がいいかもしれないですね。もしかしたら、失敗の方角に進んでいるかもしれませんよ。そういった部分が、ヒョンサンと私が同じ気持ちだったかもしれませんね。
――共に来日されて、7月4日に誕生日を迎えるイ・ジェフンさんですが、ステキな一面を教えてくれませんか?

左:ク・ギョファン 右:イ・ジェフン
ク・ギョファン:イ・ジェフンさんは、劇場と映画館を愛していますね。私も同じように、映画館が大好きです。
彼は、流れる水のように演技をしているんですよ。相手の演技もしっかり受け止めながら、リアクションを見せてくれるので、お互いに演技をしているというよりも、楽しくチェスをしているような気持ちになれます。