50代からの親の介護で“やってはいけないこと”とは?FPが警鐘を鳴らすワケ
親の介護が始まる人も多い50代。大切な親だからこそ、自分が介護したいと思う人も多いかもしれません。しかし、「親御さんを大事にする姿勢はすばらしいですが、介護離職はおすすめしません」と警鐘を鳴らすのは、『ゼロ活 ~お金を使い切り、豊かに生きる!~』の著者であるファイナンシャルプランナーの井戸美枝先生です。
50代以降、自分が最期を迎えるときに資産がちょうど0になるように生きる「ゼロ活」を提唱する井戸先生いわく、親の介護を行う場合はいくつかの要注意ポイントがあるのだそうです。自分自身の人生を豊かに過ごすため、親の介護に向き合う上での心構えをご紹介していきます。
(本記事は『ゼロ活 ~お金を使い切り、豊かに生きる!~』より一部を抜粋し、再編集したものです)
「親やパートナーに介護が必要になっても介護離職はしないほうがいい」ということはお伝えしておきたいです。
50代より上の世代の方の場合、突然親の介護が必要になるケースは珍しくありません。特に一人っ子だったり、兄弟姉妹が遠方に住んでいたりする場合、「自分が仕事を辞めて親の面倒を見るべきでは?」と考えてしまう方は少なくないはず。
でも、私は「介護のために仕事を辞める」という選択はおすすめしません。介護離職が良くない理由はいくつかありますが、最も大きな問題は自分自身の収入がなくなってしまうからです。
仕事を辞めてしまうと、自分の生活費も親の介護費用も年金や貯蓄に頼ることになります。やがて貯蓄も底をつきかねませんし、親が亡くなったあと再び仕事を探すにしても、退職時より年齢が上がっていることが足かせとなって、なかなか簡単なことではありません。
日本には、介護と仕事を両立させるための制度が整っています。
たとえば、「介護休業制度」や「介護休暇制度」です。介護休業制度では、介護が必要な家族ひとりにつき最大で通算93日間まで仕事を休むことができます。
また、介護休暇制度では、1年間で介護する家族がひとりなら最大5日、2人以上なら最大10日まで休暇を取ることが可能です。正社員だけでなく、雇用保険に加入して一定期間働いているパートやアルバイトの方も使えます。2025年4月から介護休業や介護両立支援制度に関する研修や相談など事業主は、措置を講じるように義務づけられました。
こうした制度をうまく活用すれば、仕事を辞めずに介護を続ける助けになるかもしれません。早めに企業に申出をしましょう。
また、実際の介護の具体的な方法やプランは、ひとりで悩まずに専門家に相談するのが一番。最初に相談したいのは、地域に設置されている「地域包括支援センター」です。
地域包括支援センターでは、ケアマネージャーと一緒に介護が必要な親に最適なプランをつくってもらうことができます。在宅介護の場合でも、デイサービスを利用したり、訪問介護のヘルパーさんに定期的に来てもらったりすることで、介護の負担をかなり減らせます。仕事と介護を両立するために必要な支援を具体的に相談しながら、無理のない体制をつくりましょう。
住んでいる場所が親と離れている方が故郷に戻ることを選ぶ場合も、現地に仕事のない状態で戻るのは避けましょう。まずは実家近くで新たな職場を確保してから、引っ越しすることをおすすめします。働き続けることは経済的な安定につながるだけでなく、自分自身の精神的な健康や社会とのつながりを保つうえでも非常に大切です。
「介護のために人生を諦めない」ということです。介護と仕事は、うまく制度やサポートを活用すれば両立しやすくなります。ひとりで抱えこまず、制度や周囲のサポートを最大限利用してバランスの取れた生活を目指していきましょう。
また、自分に介護が必要になった場合のことも考えて、子どもに過度な負担をかけないためにも将来の算段は早めにつけておきたいものです。
50代以降、自分が最期を迎えるときに資産がちょうど0になるように生きる「ゼロ活」を提唱する井戸先生いわく、親の介護を行う場合はいくつかの要注意ポイントがあるのだそうです。自分自身の人生を豊かに過ごすため、親の介護に向き合う上での心構えをご紹介していきます。
(本記事は『ゼロ活 ~お金を使い切り、豊かに生きる!~』より一部を抜粋し、再編集したものです)
介護離職は避けたい

画像はイメージです(以下同)
介護で実家に戻るなら、仕事を見つけてからが鉄則
住んでいる場所が親と離れている方が故郷に戻ることを選ぶ場合も、現地に仕事のない状態で戻るのは避けましょう。まずは実家近くで新たな職場を確保してから、引っ越しすることをおすすめします。働き続けることは経済的な安定につながるだけでなく、自分自身の精神的な健康や社会とのつながりを保つうえでも非常に大切です。
「介護のために人生を諦めない」ということです。介護と仕事は、うまく制度やサポートを活用すれば両立しやすくなります。ひとりで抱えこまず、制度や周囲のサポートを最大限利用してバランスの取れた生活を目指していきましょう。
また、自分に介護が必要になった場合のことも考えて、子どもに過度な負担をかけないためにも将来の算段は早めにつけておきたいものです。
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