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30代「奨学金150万円返済あり」と「親に依存する実家暮らし」どっちが問題? 婚活の現場なら“答え”は明らか

就職して立て続けに起きた「おや?」なできごと

 2012年に大学院を卒業した達也さんは首都圏にある機械メーカーに総合職として就職します。奨学金の返済も始まり、毎月の返済額は約1万7千円でした。  入社後、「おや?」と感じることが立て続けに起きます。技術部門を希望していたのですが、配属されたのは営業職でした。その企業で、営業から技術へ異動するケースはありません。 職場 オフィス その企業には社員寮がありました。しかし、その社員寮は一戸建てに男3人が共同生活するというもので、ストレスが溜まる環境です。自分と同じ新入社員が他に2人暮らしていましたが、2人とも一人暮らし経験がありません。  そのうちの1人は京都出身の偏食家で、達也さんが調理していると不機嫌そうな顔をし、ごく普通のマヨネーズやドレッシングを見ても嫌な顔をしていました。彼のもとには毎週、実家から冷凍ご飯が届いて、母親が作った料理を解凍して食べていたそうです。  他にもノー残業デーに残業したら罰金という謎の習慣があるなど「おや?」が重なった結果、達也さんは転職を決意。一年後に機械系の企業の技術職として転職し、東海地方に引っ越しました。  転職先に家賃補助はなかったそうですが、家賃約5万円を払い、1年目から貯金もしながら返済は無理なく続けることができて、特に返済が苦しいと思ったことはなかったそうです。

結婚前に奨学金を繰り上げ返済した夫に感激

 達也さんは29歳の時に婚活を開始し、30歳の時に美帆さんに出会いました。2019年に結婚しますが、婚姻届を提出する前に、奨学金の残債150万円は繰り上げ返済しました。  美帆さんによると「初めに奨学金のことも言ってくれたので誠実な人と思っていましたが、繰り上げ返済してくれてさらにポイントは上がりました」とのこと。  2019年に、約70人規模の結婚式を開催します。 「友人からは『奨学金なんか借りている人と結婚して大丈夫?』と心配されました。でも、夫の同級生はみな有名企業に勤務する高収入な人ばかりで、その人たちも半分ぐらいは奨学金受給していたそうです
新婚旅行で訪れたイタリアでの一枚

美帆さん・達也さん夫婦が、新婚旅行で訪れたイタリアでの一枚

 新婚旅行ではヨーロッパへ行き、現在は2人のお子さんにも恵まれ、名古屋市のベッドタウンにマイホームも購入して幸せな家庭を築いています。 「私は仕事を辞めて専業主婦ですが、一馬力で生活できています。相手が奨学金を借りているというだけで、結婚を不安に感じることはありません」と美帆さんは断言します。

「奨学金ある人と結婚して大丈夫?」と言った友人の“その後”

 美帆さんに「奨学金ある人と結婚して大丈夫?」と言った典子さんはその後、高校時代からの知り合いと復縁し、33歳で結婚したそうです。お相手は高校卒業後に親族経営の工場を継いだ男性で、典子さんは実家から徒歩2~3分の所に家を購入して暮らしています。  典子さんは、美帆さんが名古屋近郊の街で暮らすことが決まった際も「そんな遠くに住むの!」と言ったそうです。 「電車に乗れば30分で栄に着くのに、何を言ってるんだろうと思いました。彼女は、鶴舞線沿線の実家に生まれて、大学も勤務先もすべて同じ路線1本で通える場所。他を知らないんです。結婚してもずっと実家近くに暮らしたいと言ってました」  なお、典子さんは結婚後も新卒で就職した金融機関で、正社員として働いているそうです。  婚活市場では奨学金返済中の人よりも、「実家暮らしで海外旅行が好きで実家近くに暮らしたいという実家依存の30歳女性」の方がずっと地雷なのですが、典子さんはそんなことを知る由もありません。 ※個人が特定されないよう一部脚色してあります。 【関連記事】⇒「私は“子どもおばさん”だったんだ」30歳女性の気づき。ロクな出会いがない人の共通点 【他の記事を読む】⇒連載「私が結婚できないワケ」の記事一覧はこちらへどうぞ <取材・文/菊乃>
菊乃
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt
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