――実際に食べてみたサメは、おいしかったですか?
Rikuto:おいしいサメと、おいしくないサメがありました(笑)。ノコギリザメとサカタザメ、チョウザメ、カスザメはおいしかったです。
――どんな味がするんでしょうか?
Rikuto:「サメはアンモニア臭が強い」とよく言われます。そのなかでも、アンモニア臭の発生が遅いものと早いものがあるんですね。そして、遅いものほどおいしい傾向にあります。味自体は、鯛やヒラメみたいな白身魚系です。
――ということは、癖はなさそうですね。逆に、おいしくなかったサメはどれですか?
Rikuto:ドチザメというサメです。一番臭かったです。
――ドチザメは、鮮度が失われるのが早かった?
Rikuto:それもありますし、もともとの味も微妙でした。ほかのサメと似たような系統ではありますが、アンモニア臭と同時に磯臭さが強かったです。一癖あるサメでした。
――いろいろなサメが盛られた8種盛りなので、一度の食事では食べきれなかったと思います。マンボウのときはキムチ鍋や“モツ煮風”の料理に活用されていましたが、今回のサメも別の方法で完食を目指すのでしょうか?

めちゃくちゃおいしそうな「マンボウのキムチ鍋」
Rikuto:あるバーで「サメの3種食べ比べ唐揚げセット」を提供する予定なので、そこで使おうと考えています。
――Xでいろいろなお料理を発表されていますが、Rikutoさんは飲食のお仕事をされているのですか?
Rikuto:はい、そうです。
――仕事柄、姿造りなどはお手のもの?
Rikuto:いや、姿造りに関しては独学です。と言っても、YouTubeで魚を捌く動画を見たり、知人の料理人からやり方を聞いてみたり、がっつり勉強したわけではないんですけど(笑)。
――今まで食べてきた奇食のなかで、特に記憶に残っている料理はなんですか?
Rikuto:食への探求心が特に高まった料理があります。「アントシカダ」(東京都中央区)という昆虫食のお店の「コオロギラーメン」というメニューです。ラーメン1杯に約110匹のコオロギを使ったラーメンなんですけど。
――えーーっ!
Rikuto:このラーメンを食べたら、昆虫食の概念が変わります。「気持ち悪い」というイメージが裏切られますよ。「え、これが虫なの?」と驚くくらい、すごくおしゃれなラーメンです。もちろん、味もすごくおいしい。若干、甲殻類っぽさのある味でした。
――いいじゃないですか!
Rikuto:ただ、コオロギから出た出汁なので不思議さもあるんですね。「これがコオロギの出汁なのか……」「食べてみないとわからないな」という味です(笑)。
――「コオロギラーメン」を食べる前から、奇食に対する興味はあったのでしょうか?
Rikuto:中学生ぐらいの頃から奇食は始めていました(笑)。
もともと、僕は「アントシカダ」オーナーの篠原祐太さんという方への憧れがすごい強かったんです。「篠原さんのお店に行きたい」「篠原さんと会ってみたい」という思いで、地方から東京に上京してきました。
――「いつか、俺はコオロギラーメンを食べるぞ」という思いを抱き、上京したわけですね。
Rikuto:「自分も、そういう界隈に行きたい」と思っていました(笑)。