――中学の頃から奇食を追い求めていたとのことですが、そのきっかけは?
Rikuto:中学時代、家出をしたことがあるんです。そのとき、手元にお金もなかったので、川に寄ってみたんです。すると、浅瀬で鯉が遡上している現場にたまたま出くわしまして。手掴みでその鯉を捕え、野焼きにして食べたのが始まりでした。
実は、それ以前からYouTubeで変わったものを食べる奇食系の動画を見るのは好きでした。だから、真似してみようと思ったんです。
――実際に食べてみた鯉の味はどうでしたか?
Rikuto:普通に臭かったです(笑)。正直、臭みのせいで味はわからなかったし、おいしいかどうかも判断できませんでした。汚い川で捕った鯉って、やっぱり臭いんです。ちゃんと処理すれば、おいしい魚なんですけどね。
でも、当時はそれはどうでもよかった。おいしいかおいしくないかより、そういうことをしたという事実が楽しすぎました(笑)。
――ということは、家出前から奇食系のYouTubeは好んで見ていたわけですね。なぜ、そこに興味が?
Rikuto:実家が川と森に挟まれた場所にあり、自然に囲まれていた環境で育ったというのが大きいです。あと、兄は爬虫類や昆虫をたくさん飼育していた人でした。だから、もともと生き物には興味があったんです。
そんななか、生き物を食べる系のYouTube動画にたまたま出くわしまして。「生き物を“育てる”以外に“食べる”という選択肢もあるのか!」と、そっちの方向へ向かってしまったという(笑)。
――そういう経緯だったんですか! 最後に「今度、これでなにかをつくろう」と考えている新食材はありますか?
Rikuto:2匹います。まずは、マンタ。もう一つは、「リュウグウノツカイ」という魚です。
――「リュウグウノツカイ」という魚がいるんですか?
Rikuto:「リュウグウノツカイ」という魚がいます(笑)。
――Rikutoさんがマンタとリュウグウノツカイをどんな料理に仕上げてくれるのか、楽しみにしています!
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「生き物を育てるより、食べる方向に行ってしまった」と語るRikutoさん。ただ、“食べる”とはすなわち、生き物を自分のなかに取り入れているということです。どちらも、尊い行為であることに変わりありません。ある意味、Rikutoさんの活動からは生き物の命の重さが存分に伝わってきます。
近日中に発表されるであろうマンタとリュウグウノツカイ使った新作にも、期待大です!
<取材・文/寺西ジャジューカ>