女性になりすます男性、夜の街…私たちが安心して恋愛を始められない理由。1200人の当事者が集まったイベントで抱いた“解放感”とは
特別な一日から当たり前の毎日へ
「LGBTQ+」というと、みなさんはどんなことを想像しますか。デモ行進や権利主張といった、少しお堅いイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、PIAMYフェスの会場にあったのは、友人と笑い、パートナーと語らい、新しい出会いに胸をときめかせるありふれた日常の光景でした。
もちろん、権利の主張が重要であることはいうまでもありません。同性婚の法制化をはじめ、私たちが社会で平等に生きていくためには、まだまだ多くの課題が残されています。しかし、それと同時に、こうした本来当たり前であるべき日常を安心して過ごせる場所があることも、同じくらい大切なのです。
PIAMYフェスで多くの当事者が感じた「当たり前の空間」は、まだ社会全体から見れば「特別な一日」に過ぎません。LGBTQ+やセクマイは、「特別扱い」を求めているのではなく、ただ、異性愛者と同じように、ごく普通の日常を安心して過ごしたいと願っているという現実です。
特別な場所でしか手に入らない「当たり前」を、社会全体でどのように広げていけるか。その問いに、マジョリティも含めて一人ひとりの視点から向き合うことが、より平等な社会への第一歩となるのではないでしょうか。
<文/Honoka Yamasaki>山﨑穂花
レズビアン当事者の視点からライターとしてジェンダーやLGBTQ+に関する発信をする傍ら、レズビアンGOGOダンサーとして活動。自身の連載には、レズビアン関連書籍を紹介するnewTOKYOの「私とアナタのための、エンパワ本」、過去の連載にはタイムアウト東京「SEX:私の場合」、manmam「二丁目の性態図鑑」、IRIS「トランスジェンダーとして生きてきた軌跡」がある。また、レズビアンをはじめとしたセクマイ女性に向けた共感型SNS「PIAMY」の広報に携わり、レズビアンコミュニティーに向けた活動を行っている。
Instagram :@honoka_yamasaki
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