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朝ドラ『あんぱん』27歳俳優の“腕組み”の変化にしびれる。百貨店を退社する前後で違いが

力強い腕組みが基本姿勢

 第19週第92回、のぶの妹・朝田蘭子(河合優実)が上京して、柳井夫婦に会いに来る場面。出迎えたのぶと嵩に蘭子が、高知から持ってきたさつまいもの包みを渡す。受けとるのはのぶで、嵩は腕を組んでいる。  蘭子が上京してきた時点ではまだ勤め人である嵩は、漫画家の夢に悶々としてはいるが、倹(つま)しいながら夫婦生活と家計は安定している。何とかやり過ごす程には幾分か精神的バランスも保たれている。この場面での腕組みは、その絶妙な均衡状態をあらわす構えだと理解できる。  それが退社後に一度崩れ、弱々しい腕のホールドになる。漫画原稿ではないが、作詞やNHKの漫画講座番組出演などするようになると、再度腕を組むようになる。嵩は葛藤と逡巡を経て、力強い腕組みを基本姿勢にするようになるのだ。

視聴者も思わずつられる場面

NHK『あんぱん』©︎NHK 嵩の腕組みは、まんざらでもない成功の余裕でもあるし、のぶのことを「カミさん」と呼ぶようになる年齢を重ねた落ち着きを醸す身振りでもある。そろそろおじさんになってきたんだなぁと感じる本作後半部、嵩はあらゆる場面で腕組みをする。  気鋭の作曲家・いせたくや(大森元貴)からの依頼で作詞した「手のひらを太陽に」が、紅白歌合戦でも披露する大ヒットとなり、のぶの妹・辛島メイコ(原菜乃華)と姪っ子たちが口ずさむ団らんの場面(第21週第101回)。側で立って見ている嵩とメイコの夫でNHKのディレクターである辛島健太郎(高橋文哉)が、揃って腕を組む。  あるいは同回、戦中に世話になった八木信之介(妻夫木聡)が立ち上げた会社のオフィスで挨拶する場面でも、嵩は腕組みを崩さない。  第22週第108回で八木の会社で出版してくれた嵩の詩集サイン会が大盛況の場面など見ていると、ほほぉと感心する視聴者もまたつられて腕組みをしてしまう。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役 “イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。 X:@1895cu
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