朝ドラ『あんぱん』27歳俳優の“腕組み”の変化にしびれる。百貨店を退社する前後で違いが
力強い腕組みが基本姿勢
視聴者も思わずつられる場面
嵩の腕組みは、まんざらでもない成功の余裕でもあるし、のぶのことを「カミさん」と呼ぶようになる年齢を重ねた落ち着きを醸す身振りでもある。そろそろおじさんになってきたんだなぁと感じる本作後半部、嵩はあらゆる場面で腕組みをする。
気鋭の作曲家・いせたくや(大森元貴)からの依頼で作詞した「手のひらを太陽に」が、紅白歌合戦でも披露する大ヒットとなり、のぶの妹・辛島メイコ(原菜乃華)と姪っ子たちが口ずさむ団らんの場面(第21週第101回)。側で立って見ている嵩とメイコの夫でNHKのディレクターである辛島健太郎(高橋文哉)が、揃って腕を組む。
あるいは同回、戦中に世話になった八木信之介(妻夫木聡)が立ち上げた会社のオフィスで挨拶する場面でも、嵩は腕組みを崩さない。
第22週第108回で八木の会社で出版してくれた嵩の詩集サイン会が大盛況の場面など見ていると、ほほぉと感心する視聴者もまたつられて腕組みをしてしまう。
<文/加賀谷健> 1
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