――一作目とニ作目を見比べると、素人目でもあきらかな成長を感じます。父親目線で見ると、どんなところに成長を感じますか?
織広堂:細かい部分になるんですけど、ボンドをつけるときに量をつけすぎないとか、パーツの貼り合わせの角度を綺麗に合わせるとか、精度を気にして作れるようになりました。僕なんかは「それぐらい、いいんじゃない?」と言うんですが、「いや、ここはちゃんとしたい」というこだわりがすごく出てきましたね。

仕上がりを意識しながら作るあっつん
――ただ完成させるだけでなく、仕上がりも意識したということですね。
織広堂:あと「ここは合っていないからやり直したい」と、こちらも気づいていないところに気づいたり。パーツが多いので僕も忘れていることがあるのですが、逆に「パパ、ここ忘れてる」と指摘されたり。「よくわかってるな」というのはすごい感じました。
――成長を見せたニ作目のミニだんじりについて、特に注目してほしいポイントはどこですか?
織広堂:彫刻の細かさと、屋根下の細かいパーツが並んでいる部分を綺麗に組んだ点ですかね。列を揃えて組むように結構うるさく言いました(笑)。

注目せざるを得ない密度だ
――たしかに、一作目と比べて整っている印象です。二作目のミニだんじりを完成させたとき、お子さんはどんな様子でしたか?
織広堂:もう、ずっとニヤニヤしながら見ていました(笑)。

でき上がりを見てニヤついているのではなく、でき上がりのチェック中です
――気持ちはわかります(笑)。
織広堂:あと、完成後に「すぐ次を作りたい」「次の次はあれを作りたい」と意欲がすごい出ていました。今終わらせたから満足して……という感じじゃなかったです。達成感というより、「どんどんやりたい」という意欲のほうが強かった。達成感を得たらそれでやる気が失せることはありがちですが、それがなかったからすごく安心しました。
――成長を感じさせるお子さんを、父親としてどう思いますか?
織広堂:期待していた以上に技術や知識、意欲が伸びていますので、我が息子ながら大したものだなと。私が彼ぐらいの年齢のとき、こんなハイレベルのものは作れていなかったので。
――環境もあるでしょうけど、早熟ですよね。
織広堂:そうですね。特に、図面を見る力があるなと感じました。彼が小学1年生のときに『機動戦士ガンダムUC』のユニコーンガンダムマスターグレードのプラモデルを買ったんです。その際、図面を見ながら「ここはこうで、こうなっているんだな」と組み立てていたんです。それを見て、「この歳で図面を見て立体をイメージできる力があるのか!?」と驚いたこともあります。
――織広堂さんも昔からミニだんじりを作っているんですよね?
織広堂:はい。私は大阪府岸和田市出身で、だんじりが盛んな土地に生まれ育ちました。中学のときに美術の授業で「ミニだんじりを作る」という課題を出され、それをきっかけにミニだんじりを作るようになったんです。その後、何台も作るようになって現在に至るという感じです。
――やっぱり、息子さんもだんじりには興味を抱いているのでしょうか?
織広堂:そうですね。生まれたときからだんじり祭りには参加していて、私の影響で小さい頃から「カッコいい」という印象を持っていたと思います。
――じゃあ、「ミニだんじりを作ってみよう!」というスイッチは入りやすい環境だったんですね。