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「観客にわからなくていい!」菅田将暉の熱すぎて嫌われたキャラが、最後に見せた凄み|ドラマ『もしがく』第1話

二階堂ふみとの、最後のシーンが痛快!

『もしがく』の久部も、令和のいまだと、なかなか受け入れにくそうな、昭和の熱い男を演じている。  自分なりの信念があるが、仲間たちには受け入れられない。持て余しているエネルギーを、第1話では、リカ(二階堂ふみ)にピンスポを当てるときに全開で発散する。このときの久部の表情がスナイパーのような凄みがあった。ネタバレだが、ポーズを決めるリカとピンスポがピタリと合うところは痛快だ。  初回30分延長で、仲間の信頼を失い、大事な本を失い、久部にいいところなしだった末、最後の最後で見た甲斐があった。続きも見ようと思った。
「もしがく」第1話の場面写真 (C)フジテレビ

「もしがく」第1話の場面写真 (C)フジテレビ

80年代を知っている人には語りたいことだらけ

 さて。久部三成がマクベス+リチャード三世、倖田リカがコーディリア(リア王)、蓬莱省吾がホレイショ(ハムレット)、江頭樹里がジュリエット(ロミオとジュリエット)、ペログリーズは『ペリクリーズ』、ジャズ喫茶テンペストはまんま『テンペスト』などシェイクスピアのキャラ名やタイトルをもじっていることがSNSで話題になった。 と同時に、三谷幸喜の半自伝的な話でもあるというのもあって80年代の渋谷の街の歴史やカルチャーなど知っている人には語りたいことが満載だ。そのなかで、久部がわかってもらえない苛立ちから灰皿を投げようとしたとき、蜷川幸雄のマネだと指摘されてしまう。「おまえにオリジナリティはなんにもない」と。
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ちりばめられた蜷川幸雄エピソード
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