――色々調べた結果、詐欺だと断定したタイミングは?
「まず、そのアカウントが名乗っていたスキンケアブランドに直接連絡を取ってみました。すると、
そのブランドは現在PR案件を実施しておらず、なりすましアカウントを作って同じ手口での詐欺報告があることを知りました。
やりとりをしていたPR用のアカウントはブランドとは一切関係なく、この時にはっきりと詐欺だったことが分かりました。そしてその後、依頼元の詐欺アカウントには、ネット調査会社と法務局、警察に相談していると連絡をしてみました」

「“お互い困っている”体(てい)で連絡するも、その後依頼元のアカウントからの連絡は途絶え、アカウント自体が削除されているのを確認しました。同様の手口の詐欺DMが来て実際に被害に遭った友人もいるので、これ以上被害者が出ないことを祈るばかりです」
こうした“案件詐欺”は、SNSを使うすべての人が被害に遭う可能性があります。「インフルエンサーじゃないから関係ない」と思っていても、「副業」や「リモートワーク」「お小遣い稼ぎ」といった言葉をきっかけに、同様の手口でだまされるケースが後を絶ちません。
ブランドのロゴをアイコンに設定していたり、アカウントのフォロワーも少なくなかったりと、信じてしまいそうになるケースも。DMやメッセージで「うまい話」が届いたときは、疑うことを忘れず、一度立ち止まって相手の情報を確認する習慣を。ほんの少しの警戒心が、自分や大切な人を守る第一歩になるはずです。
<取材・文/鈴木風香>
鈴木風香
フリーライター・記者。ファッション・美容の専門学校を卒業後、アパレル企業にて勤務。息子2人の出産を経てライターとして活動を開始。ママ目線での情報をお届け。Instagram:
@yuyz.mama