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途中離脱はもったいない!三谷幸喜『もしがく』は菅田将暉の“揺れる演技”で大化けの予感

見違えるように生き生きと変化していく

『もしがく』初回のラスト5分では偶然辿り着いたストリップの「WS劇場」でダンサーとして舞う倖田リカ(二階堂)に魅せられ、彼女に夢中になって照明を当てる久部の姿がクローズアップされた。二階堂に見入る菅田にこちら側が見入ってしまうほど引き込まれるシーンだ。  必死に倖田に光を当てていた久部だが、彼女こそが久部にとって光となった。  久部は、風営法改正で立ちいかなくなった「WS劇場」で倖田をはじめとするダンサー達や、放送作家役の神木、用心棒役の市原らを説得し、あらたに劇団を立ち上げ一発逆転を計る。  心の内が絶望から希望へと変わった菅田の表情は見違えるように生き生きとして、うつろな目はしっかりと焦点が定まり、うるさく聞こえたがなり声は演劇人らしいよく通る声に変わっていった。

三谷幸喜の真骨頂×菅田将暉の躍動感

 俯瞰的に見れば、第1話の雑然としたストーリー運びは久部のぐちゃぐちゃな胸中を、第2話の「WS劇場」のまとまりは彼の光を見出した心模様をそのまま表しているようでもある。
 第3話以降は「WS劇場」が久部を中心に活性化していく様がより明確に描かれるはずで、さびれてしまった空間を劇的に再生していく物語に長けた三谷幸喜の真骨頂が見られるだろう。その筆を動かしているのは希望に向かう菅田の躍動感に違いない。  第1話の早い段階で途中離脱してしまった人にも、ぜひ第2話以降を見て継続視聴するかを判断してもらいたい。 <文/こじらぶ>
こじらぶ
フリーライター・コラムニスト。言語学修士。男性&女性アイドル、地下、ローカルなど様々な現場を経験。ドラマ、スポーツ、エンタメ全般から時事ネタまで。俳優、アイドルなどのインタビューも。X: @kojirabu0419
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