「常にいい人でいなきゃ」メンノン出身・31歳俳優が明かす、長男としての葛藤と“初めてやりたいと思えた”俳優への道
子役たちとカメラの外でもコミュニケーション
――本作にはサチとタモツとの間に生まれた子ども・フクちゃんとのやりとりが登場していました。
宮沢:長い年月を描いた作品なので、3人のフクが登場しています。みんなかわいかったですよ。一番小さなフクは、カメラが回っていないときには僕も抱っこさせてもらって、慣れるようにしていました。とても穏やかでよく寝る子で、起きてもほとんど泣かないんです。
3人それぞれに、カメラが回っていない瞬間からも得るものがたくさんありました。子どもは1分後に何をしているのか誰にも予想できません。そのリアリティがあったからこそ、タモツとしても自然に呼吸して演じることができました。
この作品は短時間を描くものではなく、サチとタモツの出会いから別れまでという長い時間をかけた物語です。画面で観る部分には描かれていない時間も、ふたりには当然あって、そこを監督や岸井さんとクランクイン前のリハーサルで丁寧に埋めていきました。
なので、描かれていない部分も自分たちの中では年月を一緒に過ごしたと消化して演じています。こうしてきちんと流れを作ることで、物語が自然に進んでいく──そこがこの作品の見どころのひとつだと思います。
<取材・文・撮影/望月ふみ>
映画『佐藤さんと佐藤さん』はは全国公開中
(C) 2025「佐藤さんと佐藤さん」製作委員会望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi


