――そんな中、44歳で人生初の就職。なぜこのタイミングで会社員になる決断をしたのでしょうか。
「就職の少し前から、立て続けに不運が重なったんです。バイト先ではセクハラやパワハラに遭い、退職代行を使って辞めました。親戚から嫌がらせにもあうし、認知症、多発性骨髄腫などを患った親の病院やホームのお金、大阪と東京の往復続きで金銭的にも精神的にも追い詰められ厳しい状態に。月に30万円くらい頑張って稼いでも、すべて入金と同時に消えていく追い詰められた生活と心で、人生で初めて“どん底”を味わいました。
そんな中、両親が相次いで他界し、その1か月後くらいに就職の話が舞い込んできたんです。共通の知り合いの紹介である大手企業の社長から『うちで広報をやってみたら?』と声をかけてもらいました。これは両親からの導きかも。そして芸能の仕事もやり切った感覚があり、とにかく環境を変えたいと思っていた矢先だったのですがパソコンにほとんど触ったことのない私が就職なんて……と、正直本当にいいのかなぁと戸惑いました(笑)」
――初めての会社員生活で、苦労はありましたか?
「ずっと接客業だったので、事務作業は未経験。社内メールすら初めてでしたが、ほぼ独学で覚えました。でも、それを苦労だとは感じなかったですね。初めてのことばかりで、学ぶのが純粋に楽しかった。自分から積極的に異業種交流会にも参加していました」
「最後の恋」を支える仕事へ。婚活カウンセラーとしての独立
――翌年に婚活カウンセラーの活動をスタートさせていますが、何がきっかけだったのですか?
「広報としていろんな人と交流していく中、私は人の話を聞いてアドバイスをすることが得意なのかも、と昔の記憶がよみがえり、改めて思うようになったんです。知り合いの中に結婚相談所関係の方がいたので、『働けませんか?』と聞いてみたらOKが出ました」
――広報の仕事はどうするつもりだったのですか?
「社長に『芸能以外で初めてやってみたいことが見つかった』と伝えたら、『うちにはバイトで籍を残してそっちもやってみたら?』と言ってもらえたんです。そこからはバイトを掛け持ちして休みなしで半年くらいがむしゃらに働きました。その後、すぐに独立を決意して、今はバイトは広報業務1本だけになっています」
――そしてついに46歳で結婚相談所『ダイアモンド・リリー』を設立。オンラインで主に40~60代の方の相談を受けているそうですね。
「『ダイアモンド・リリー』のコンセプトは“最期の恋”なんです。結婚をやり直したい方、諦められない方、もう一度チャンスを掴みたい方をサポートしています。年齢が理由で諦めている方も多いですが、私は決して難しいとは思っていません」
――自分で結婚相談所を利用したことはありますか?
「ないです。でも、もし使っていたら私もこんなに遠回りはしていなかったと思いますよ(笑)。これまでの経験は得難いものですけど、しなくていい失敗や遠回りはしない方がいいんですよ。年齢を重ねるほど、そう実感します」
――茜さんご自身の結婚願望は?
「もちろんあります。自分から好きになれる人ならいいかな、と思います。今なら自分に合う相手もわかるので……。子どもたちも少し手が離れてきていますし」