毎日ChatGPTを使っている私が「AIは友達になれない」と思った理由。独身の友人が打ち明けた“恐怖”から
独身の友人が漏らした「恐怖」から考える、AIが友人になれない理由
少し話はかわりますが、その友人グループの中に、私にとって本当に大切な友人がいます。彼女は独身で、ひとり暮らしをしています。
あるとき彼女が、こんな話をしてくれました。
「寂しいとかはないんだけど、人生を“記憶してくれる人”がいないのが、すごく不安になるんだよね」
私や他のメンバーには、それぞれ家族がいます。すべてではなくても、同じ家に住むパートナーと、今日あった出来事や感じたことを、自然と共有していく。
でも、ひとり暮らしの彼女には、それがない。
彼女は「人生が誰の記憶にも留まらなくて、透明になって流れていくような感じがする」と言っていました。
その言葉を聞いたとき、彼女が求めていたのは、単なる“話し相手”ではなく、自分の存在をつなぎとめてくれる場所だったんじゃないか、そんなふうに思いました。
AIに毎日話しかければ、そのやり取りはすべてログとして残ります。それはきっと、完璧な自伝になるでしょう。でもそれはどこまでいっても単なる、「記録ログ」。劣化することもありませんが、「記憶」ではない。
決定的な違いは何か。
それは、「共感」だと思うんです。AIには「共感」がありません。
もちろん「悲しかった」と言えば「それは悲しかったですね」と返してくれる。でもそれは膨大なデータから算出された言葉であって、AI自身がその経験をしたわけではない。
その言葉に、意味や重みがないことを、私たちはどうしたって知ってしまっている。
だから、AIはきっと、私の友人が欲しかったような「心の拠り所」にはならないんじゃないかなって思ったんです。
そう考えたとき、これこそが、私がAIを友達と呼べない最大の理由なのかもしれないと思い至りました。
AIにはない「熱の交換」。人間は「共感」で記憶する
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