毎日ChatGPTを使っている私が「AIは友達になれない」と思った理由。独身の友人が打ち明けた“恐怖”から
ズレがあるからこそ、友人は「人生の証人」になれる
記憶には、共感を通しての感情があります。時には、嫉妬や妬み、違和感や嫌悪感といった、決してきれいではない感情と一緒に、その記憶が相手の中に残っていくこともある。
そういう「感情を含んだズレ」は、AIにはありません。
だからこそ、他者の人生を記憶し、その存在を証明する存在として、友人は「証人」になっていくのだと思います。
それは、完璧にコピーされた完璧な記憶ではなく、曖昧で、不完全で、でも確かにそこにあった時間を、生き証人として覚えていてくれる存在。
話を聞いていても、ズレているな、と感じることもたくさんある。誤解されているな、と思うこともある。
でも、それこそが人間らしくて、愛おしい。
だからきっと、彼女が欲しかったのは、完璧なログとして残る人生ではなくて、自分だけの視点ではなく、他人という視点を通して、誤読も含めて記憶される人生だったんじゃないか。
そんなふうに思いました。
私たちは人生の証人になり合いながら生きている
大木優紀
1980年生まれ。2003年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして報道情報、スポーツ、バラエティーと幅広く担当。21年末に退社し、令和トラベルに転職。旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のPRに奮闘中。2児の母
この連載の前回記事


