ある朝、目が覚めると股関節に激痛が走り、歩くことさえままならなくなっていました。「加齢のせい」「動かしすぎ」と自分を騙し続けてきましたが、もう限界でした。
「さすがに歩けないのは困る……」
重い腰を上げ、ようやく近所の整形外科を受診しました。レントゲンの結果、股関節に大きな異常は見当たりません。「痛み止めと湿布で様子を見ましょう」という、想定内の診断でした。しかし、診察の終盤、医師が放った何気ない一言が運命を変えました。
「ご家族に、
膠原病(こうげんびょう)の方はいますか?」
その言葉で、早くに亡くなった祖母のことを思い出しました。「……そういえば、祖母が膠原病でした」
「念のため、リウマチの血液検査もしておきましょうか。多分、違うとは思いますが」医師の言葉も軽く、私自身も「ついでに調べておくか」程度の、気軽な気持ちで採血に応じたのです。

数日後。仕事の忙しさもあり、検査のことなど半分忘れかけていた私は、面倒臭さを感じながら再診に向かいました。診察室に呼ばれ、椅子に座る。医師が話し始めるより先に、私の目は机の上のパソコンモニターに釘付けになりました。
そこには、はっきりと
「陽性」の二文字が並んでいました。
「……陽性? ということは、私がリウマチなの?」
頭の中が真っ白になり、医師の声が遠のいていくのを感じました。当時の私にとって、リウマチとは「高齢者がなり、徐々に関節が曲がって動けなくなる病気」というイメージ。33歳、これからもっと動きたい、働きたいという時期に突きつけられた事実は、あまりに重く、絶望という言葉以外の何物でもありませんでした。