ところが数日後、信じられない事実を突きつけられます。
「智史のお母さんが、物件を勝手に契約してきてしまったと聞かされたんです。もう『はぁ?』というか、とにかく信じられませんでした。智史が初めて上京する学生さんなら分かるけど……もう30歳の社会人ですよ?!」
沙耶さんが言葉を失う一方で、智史さんはどこか浮き足立った様子だったそう。
「『お母さんが掘り出し物の物件を見つけたから、他の人に取られる前に決めてきちゃったらしい。とりあえず見に行こうよ』って、ちょっとワクワクしていて。正直『何こいつ』って引いてしまいました」
渋々連れて行かれた先にあったのは、確かに綺麗で広いマンション。しかし家賃は掘り出し物どころか、むしろ相場よりお高めでした。
「智史が『お母さんがここがいいって。家賃も毎月5万円サポートしてくれるってさ』って嬉しそうに言って……」
その一言で、沙耶さんの中で何かが完全に切れました。
「こんな自分のプライドもない、頼りにならない男とは結婚できない。そしてなにより、お金で息子や私をコントロールしようとするお母さんと家族になんて、絶対になりたくない! と思ったんです」
沙耶さんはその後、同棲の話自体を白紙に戻し、智史さんとも別れる決断をしたそう。
「結婚を見据えた同棲のはずが、逆に浮き彫りになったのは自立心がなく責任感もない智史の本性でした。同棲する部屋を母親に勝手に決められることを疑問にすら思わないなんて……かなりゾッとしましたね」
しかも智史さんに別れ話を切り出すと「嫌だ、別れたくない! あの部屋は解約してちゃんと2人で部屋を探すから」とごねられ泣かれてしまって。なかなか納得してもらえず、別れるのに少し時間がかかってしまいました……。
「あんな面倒な男、早めに見切りをつけて正解でしたし、本当に同棲や結婚なんてしなくてよかったなと心から思っています」と微笑む沙耶さんなのでした。
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<文・イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
@skippop