久保さんに同情したり彼の態度を責めたり、視聴者の反応はさまざまだ。ただ、個人的には久保さんの様子を見ながら、「婚活以前に、日常的に本音を言い合える存在がいたら、話は違ったのかもしれない」と感じた。
久保さんは髪型や服装など、好感度の高いビジュアルの作り方が得意とは言い難い。結婚相談所のスタッフとの買い物同行サービスを利用してスーツを選んでもらったり、髭脱毛に取り組んだりと、決して外見に投資していないわけではなかった。
それでも、時折びしっとした見た目になるが、紗栄子さんとのデートシーンが映し出されるたびに、形状記憶しているかのように地味な見た目に戻ってしまう。前髪は汗でべったりと張り付き、近所のスーパーに買い物へ行くようなTシャツにパンツという、かなりラフなファッションだ。見た目については紗栄子さんからも指摘されていたが、結局、目立った改善が見られなかった。このことも交際終了を決断する要因の一つだったのかもしれない。
植草氏からアドバイスを受けても改善しなかった理由には、久保さん自身の課題という見方もある。一方で、見た目を指摘してくれ、恋愛の話題を気軽に共有できる相手が身近にいたら、婚活の進み方も少し変わっていたのではないだろうか。
「お前、その服やめろよ」「こういう髪型のほうが良いんじゃない?」と、ざっくばらんでありながらも的確に教えてくれる友達が日常の中にいれば、久保さんも気を緩めることなく、見た目に対する高いモチベーションを保ちやすかったかもしれない。
また、久保さんは関係性がまだ浅い段階で紗栄子さんに手をつなぐことを打診し、結果的に紗栄子さんを困惑させる場面もあった。こうした「女性との距離感」については、友人同士の会話の中でよく話題になりがち。「こういう時はこうしたほうがいい」といった意見を耳にすることで、決して自分に向けられた言葉でなくとも、経験として蓄積されていく。そして、いざ自分が当事者になったときに、それを活かすことができる。
2週目のラストで久保さんは、結婚したい理由として「
友達がいない自分だけど、結婚して、誰かにそばにいてほしい」と語っていた。それが謙遜や一時的な孤独感によるものなのか、本心なのかはわからない。ただ、その言葉には寂しさも感じた。結婚という目標の前に、「誰かと何でも言い合える関係を築く経験」がどれほど大切かを考えさせられる。