
Ⓒ2026 「木挽町のあだ討ち」製作委員会 Ⓒ2023 永井紗耶子/新潮社
――そして人生でもベストコンディションの状態で、今回新たに映画『木挽町のあだ討ち』で時代劇に初挑戦されましたね。
イモト:そうですね(笑)。ミステリーの要素もありつつ、それだけじゃない展開に驚きました。仇討ちのシーンも美しかったですし、映像に音楽が載ることによってアートと言いますか、こうやって映画が作られるのかと、完成した映画を観て感動しました。そうそうたる演者の方々の演技力も素晴らしかったです。
――演じられたお与根について教えてください。
イモト:芝居小屋の森田座で小道具を作る、正名僕蔵さん演じる小道具方の久蔵さんの妻役です。原作を読むと、5歳くらいで息子を失くしているという深いストーリーが彼女にもあり、登場人物がそれぞれ人生を背負って今があるという感じなのですが、久蔵さんはほとんどしゃべらないので、その分、嫁のわたしが説明したり、その場を明るくしようとふるまったりします。
――久蔵・お与根の夫婦関係は、どう理解して演じましたか?
イモト:お与根さんは旦那さんのお仕事や旦那さんのことをリスペクトしていると思っていて、わたしの実際の夫婦関係もそこは似ているなと思いました。ただ、わたしは気になることがあると根掘り葉掘り聞いてしまうので、そういう意味ではそっと寄り添うお与根さんは素晴らしい女性だなと思います。
あと人のために動きますし、サービス精神がすごく旺盛で、こういう女性になれたらいいなというあこがれはありますかね。引いて見守ることは、わたしにはできていないかな(笑)。できた女性なんですよ。
――互いにリスペクトし合うということですが、そこも含めて夫婦円満の秘訣は何でしょうか?
イモト:だいぶ夫は我慢していると思うんですけどね……。夫は優しいのでケンカにまではならないんですけど、わたしの中では何か起こってもなるべくその日のうちに解決する、次の日に持ち越さないことを心がけています。それが円満の秘訣かどうかはわからないんですけど。
モヤモヤを溜めると、溜めて溜めて爆発して、「あのときもそうだった!」なんて、そのとき関係ないことまで引っ張り出してきて、大ゲンカになっちゃうじゃないですか。それがよくないなと思っていて、これがいい関係維持の秘訣なのかどうなのか(苦笑)。向こうは毎回大変だなと思っているかもしれませんが、わたしなりのやり方ですかね。
――仕事・母親・妻、いくつもの役割があると思いますが、どうバランスを取られていますか?
イモト:それが上手く取れていないんですよね。器用にこなせないから仕事の時は仕事に集中したいので、バランスというより切り替えを上手くしているような感じです。ただそれは、子どもが生まれたことによって、できているところがあります。
仕事でどれだけミスをしたとしても、家に帰れば、今はもう忘れられる生活環境なんです。そこはいいのかなと思いますね。家事もあり、やらなければならないことが山ほどあるので、いつまでも仕事を引きずらないというか、切り替わります。