News
Lifestyle

「学生の卒業旅行」が様変わり!急増している“意外な行き先”と“驚きの予算”とは

「時間を使ってお金を節約する」ーー学生たちのメリハリ消費

ヨーロッパ調査02 では、その限られた予算をどう使っているのでしょうか。 35万円は決して安くありませんが、現地では“メリハリ消費”を徹底している様子が見えてきました。 「どこをコストカットしていますか」という質問に対して最も多かったのは、移動費・交通費(41.1%)、そして宿泊費(36.1%)。  たとえば、直行便は高いからと、時間はかかっても乗り継ぎ便を選ぶ。豪華なホテルよりも、価格や立地を優先し、「寝られれば十分」とグレードを下げる。費用を抑える工夫は、航空券と宿選びに集中しているのです。  私も大学時代、イタリアに行ったとき、移動費を削るために、台湾で乗り継いで、途中アブダビで一回飛行機を乗り継ぎ、ローマへ向かうという便を使いました。移動費は抑えられたものの24時間近くかかってしまい、乗り継ぎもなかなか時間がかかり、どこに向かっているのかわからなくなってしまうような感覚になったことを覚えています(笑)。  しかし、学生時代は“時間”という資源がある。時間を使ってお金を節約する――この発想は、ある意味とても合理的です。  一方で、何にお金をかけているのか。9割以上が「体験観光費・食費」と回答しました。 ヨーロッパ調査01 食費は削りがちなのでは、と思いきや真逆。いわゆる「コト消費」にしっかりと予算を振り分けています。  ホテル代を抑えた分で、本場イタリアで最高のトリュフパスタを味わう。バルセロナでは、憧れのサグラダ・ファミリアの内部まで見学する。単なる節約ではなく、「どこに価値を置くか」の取捨選択が明確なのです。

消費から投資へ。若者たちの新しい旅の価値観

 かつては、ヨーロッパ旅行といえばブランドバッグを買うことがひとつのステータスだった時代もありました。しかし為替の影響もあり、今は“モノ”にお金をかけたいという声は少数派。  代わりに選ばれているのは、今しかできない“一生ものの体験”です。  たとえば、ルーヴル美術館で「モナ・リザ」を目の前にしたときの空気感。現地の学生とパブで語り合う夜。  SNSを開けば、エッフェル塔も、タイムズスクエアも、画面越しにいくらでも見ることができる時代です。けれど、実際にその場に立ち、五感で感じる体験は、スクリーン越しでは代替できない。  情報があふれ、疑似体験が容易になったからこそ、「本物」に触れる価値がむしろ高まっている。コロナ禍で移動が制限される時間を経験した世代だからこそ、「行けること」「体験できること」の価値を、私たち以上に実感しているのかもしれません。  若いうちから投資を始めるというマネーリテラシーが広がるなかで、資産運用だけでなく“自己投資”としてのリアルな体験にも価値を見いだしている。  安く済ませることが目的の旅ではない。最高に濃い時間を過ごすために、不要な贅沢を削ぎ落とす。この大げさにいうと、引き算の美学みたいなものを、今の学生たちから感じました。  モノよりも体験へ。消費よりも投資へ。  限られたお金をどう使うか。今回の調査から見えてきたのは、単なる旅行トレンドの変化ではなく、若者たちの価値観の変化そのものでした。 【Voicyで聴く】⇒音声版「大木優紀の旅の恥はかき捨てて」 <文/大木優紀>
大木優紀
1980年生まれ。2003年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして報道情報、スポーツ、バラエティーと幅広く担当。21年末に退社し、令和トラベルに転職。旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のPRに奮闘中。2児の母
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ