
河原さん家族
子を亡くすというのは、当事者の親だけでなく周りにいる人たちにも多大な影響を与えるという。その経験によって、夫婦関係が悪くなるケースもあれば、逆に良くなるケースもあり、また自分の娘が子どもを亡くしたり、兄弟が子どもを亡くしたりというケースなど、その実態はさまざまなのだそうだ。
「でもすべてのケースに共通するのは、子を亡くした自分が前向きに楽しく生きていいのか? という罪悪感を抱く母親が多いことだと思います。命に関わるような出来事があると、自分はなんで生きているんだろう? という壮大なテーマになってくるんですよね。
あと難しいのが夫婦の関係です。もともと価値観が違う夫婦の中で、子どもがいたから成り立っていた部分が大きいと、お子さんが亡くなったことでそこが強調されてしまうこともあります。また命に関わることに対しての向き合い方が全然違ったりすると、この人と一緒にずっといてもいいのだろうか? という疑問が生まれたりしてしまうんですよね」
子どもを亡くすというのは、親にとっては究極の不幸と言えるだろう。だからこそ、体験した当時はどん底で絶望だったけど、それをどんな糧にすることもできると河原さんは力強く語る。
「子どもが亡くなった事実は変えられないので、それの視点をどう変えるのか? つらい経験をしているので、それ以上のつらいことはないと思ったら、楽観的に楽しく生きていける部分もあるんじゃないかなと今では思っています。
自助グループに初めて来られた方は、ずっと悲しんでないといけないと思っている傾向にありますが、同じ経験をしているはずのママさんたちが楽しそうに話ているのを見て、『なんでこんなに子どもを亡くしてるのに、みんな楽しんでるんだろう』って最初は驚くんですよね。でもそこから自分も楽しんでもいいんだという安心感に繋がっていく。
そこから、命があるというのは当たり前ではないからこそ、自分が本当にやりたかったこととかを見つめる機会にすることもできます。“今日よりも明日の自分”と、できないこともあるけれど、少しでも自分の人生をどうしていくか? そういうふうに切り替えていかれる方も多いですね」