現在の職場では、「容姿」や「恋愛」といった個人的な領域に触れる発言はハラスメントと判断される可能性があります。かつては“褒め言葉”や“場を和ませるための冗談”と受け止められ、自分たちが先輩や上司に言われてきたかもしれませんが、考えをアップデートする必要があるのです。たとえ悪意がなくても、上下関係のある立場からの言葉はどんな内容も圧力になり得る……それが今の基準です。

佳苗さんの感覚は「悪気がなければ大きな問題にはならない」「励ますつもりなら伝わるはず」という時代のまま止まっていたのかもしれません。一方で山田さんは、「仕事の指導とは関係のない、容姿や恋愛の話題に触れられた」「子どものような失礼な扱いをされた」と感じた可能性があります。
今のコンプライアンスでは、どちらが正しい・間違いというよりも、そうした“受け止め方の違い”があることをまず理解し、その感覚を軽く扱わない姿勢が大切なのではないでしょうか?
相手の感じ方に耳を傾けながら、伝え方を見直していく
この一件以降、佳苗さんは山田さんへの言葉遣いの指導から手を引き、必要最低限の業務連絡しかしなくなったそうです。
善意や励ましのつもりでも、その受け止め方は人それぞれ。時代とともに、職場で求められる距離感や言葉選びも少しずつ変わってきていきます。
「これくらい大丈夫」と思っていた一言が、誰かにとっては重く感じられることもあるのかもしれません。だからこそ、相手の感じ方に耳を傾けながら、伝え方を見直していくことが、これからの職場ではより大切になっていくのではないでしょうか。
【他のエピソードを読む】⇒
「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ
【あなたの体験談を募集しています!】⇒
心がほっこりした「ちょっといい話」、ありえない!「びっくりした話」「ムカついた話」、人生最悪の恋愛を募集中!(採用時に謝礼あり)ご応募はここをクリック
<文・イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
@skippop