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元子役・東京育ち・36歳の私が“地縁”に憧れて始めたこと「東京に実家があるありがたみを噛みしめろと言われるけれど…」

地縁がなければ作ればいいじゃない!

宇野なおみさん

帰りに品川駅で映画『羅小黒戦記2』を見たことも

 最初は横須賀に行くための京急線になじみもなく(笑)、どこに連れていかれるのか、ちゃんと目的地で降りられるのか不安になりながら乗っていました。電車を間違えると、戻るのに時間が想像以上にかかるし、乗りはぐったら数十分違いが出てしまうし……おろおろし通し。はじめてのおつかいかな?  いろいろなプロジェクトがあるため、初日に交流を深める意図もあるフィールドワークであちこちまわりました。その時、ちょっと車で移動するだけで、まったく雰囲気が違うことにも驚きましたね。三崎、三浦海岸、葉山、横須賀……「三浦半島」というエリアは一緒なのに、まるで違う!  考えてみれば東京も同じで、同じ23区でも歌舞伎座のある中央区と親戚の家がある練馬区では、まったく違います。練馬区には「練馬大根引っこ抜き競技大会」なるものがあるんですよ。いつか参加したい。
フィールドワークで訪れた場所のひとつ

フィールドワークで訪れた場所のひとつ

 中でも、「谷戸」というエリアには驚きました。横須賀のあちこちにある集落なんですが、急こう配の山の上にあるんですよ。崖かな!? と思うようなところに家があったりします。谷戸で民泊を行うプロジェクトの取材もしたのですが、駅からほど近く、交通量の多い車道のすぐ上だというのに、とても静かで、森の香りがする場所でした。

スカジャンと着物の思いがけない繋がり

スカジャン職人さんの作品を取材

スカジャン職人さんの作品を取材

 もうひとつカルチャーショックだったのは、「スカジャン」。文字通り横須賀発祥と言われる、主に男性が着用するサテン生地のアウター。  コンピューター刺繍が主流となった中、「横振り刺繍」という刺繍技術を使い製作する職人・アーティストさんの取材もいたしました。わたくしはあまりそういった文化に詳しくなく、『王様の仕立て屋』(集英社)という漫画で読んだ程度の知識しかなかったです。  しかし、「横振り刺繍」は着物の刺繍と深い関係があるとのこと。思わぬ繋がりにびっくりしました。考えてみれば当たり前ですよね、日本の刺繍文化の中でスカジャンが生まれてきたわけですから、根源には着物がある。  工場にお邪魔した時に「へ~なんか打掛みたいな刺繍、歌舞伎の舞台でよく見るや~つ」とか思っていたのはあながち間違いではなかったのです。
横振り刺繍の実演

横振り刺繍の実演

 職人さんの手仕事を間近で見られたのも感動でした。横振り刺繍では「木枠」を使うのですが、型を作れる職人さんがいないそうで……。どこか作れるところがあればいいのに、とか考えておりました。  他にも築100年を超える古民家のカフェについて取材して、コーヒーの奥深さを聞いたことも。エッセイのほかには歌舞伎、アニメ・漫画、芸能人の方のインタビューなどが最近多かった私にとって、新鮮なお話ばかりで、原稿を書くのも楽しかったです!
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自分はここにかかわりがある人間、と思ってめぐる街の面白さ
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