「相方が炎上」“鎮火するコンビ”と“泥沼化するコンビ”
八木同様に相方の不祥事を救った芸人のケースは少なくない。ナインティナイン・岡村隆史が『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』(同)で女性蔑視発言をした際も、相方の矢部浩之が後日同番組に出演し、岡村の未熟さをきつく叱っていた。

画像:ニッポン放送『ナインティナインのオールナイトニッポン』公式サイトより
矢部の振る舞いを見て、嫌悪感や怒りが徐々に収まったのか、事態は沈静化していった。いずれもラジオという生の声での発言が許される場での“相方救出”ではあったが、生の声が伝わらないSNSでここまで騒動を収めたのだから、今回の八木の立ち回りには驚かざるを得ない。
一方で、相方が表に立たなかったことで“コンビとしての温度差”が注目され、騒動が長引いてしまったケースもある。アンジャッシュや雨上がり決死隊のように、コンビ間の距離感そのものに世間の関心が集まった例も少なくない。フォローへ回るケースもあれば、あえて距離を取るケースもあり、その対応の違いにコンビごとの関係性がにじむのも興味深い。
今回の騒動で、八木が救ったのは相方だけではない。それは今回の騒動がここまで広がるきっかけを作った中山だ(もちろん、高橋の過去の言動が発端ではあるが)。
中山としても「番組が盛り上がれば」というサービス精神で、「ずっといじめられていた先輩がいる」と発言したのではないか。多少SNSでの詮索が行われることも想定していたが、そこまで大事にもならないと踏んでいた可能性が高い。
しかし、長田の投稿によって事態が一転。一気に大騒動となり、中山の発言は完全に本人のもとを離れ、“過剰な正義感を振りかざす人たちのオモチャ”にされてしまう。この時点で、中山個人で事態を収拾することは難しくなった。
中山は『R-1ぐらんぷり2009』(現R-1グランプリ)のチャンピオンでありながらも目立った活躍ができていないことを自虐し、さらには過激なことを発言する芸風でお馴染みだ。“いじめ被害者”という見方をされると、本人としてはやりづらいだろう。八木の行動は結果的に、“中山功太”をも救ったと言える。
ただ謝るだけではなく、誰をどう守るべきかまで考え抜かれていたからこそ、八木の対応は“理想の相方”として称賛されたのだろう。
<文/浅村サルディ>
浅村サルディ
芸能ネタ、炎上ネタが主食。好きなホルモンはマキシマム ザ ホルモン。