
画像:TVerより
一方で、スキャンダル経験のある俳優の起用が、SNS等での話題喚起という“プロモーション”になるという見方もできます。その典型例が、4月1日スタートの『サレタ側の復讐 同盟を結んだ妻たち』(テレビ東京系)で、不倫された夫への復讐を誓う“サレ妻”としてトリプル主演の一角を担う篠田麻里子さんです。
篠田さんといえば、2022年12月に一部週刊誌で不倫が報じられ、“交際0日婚”した経営者男性と2023年3月に離婚を発表。その後、2024年1月期の『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』(テレビ朝日系)で不倫をする“シタ役”を熱演し、大きな話題を呼びました。報道や離婚から間もない時期での起用に加え、生々しいベッドシーンなども相まって、「批判覚悟で引き受けたメンタルが強すぎ」という声の反面、「リアルすぎて直視できない」といった賛否両論が巻き起こりました。
そこから一転、今期は不倫される“サレ妻”役です。2026年3月に再婚を発表したばかりというタイミングもあり、ネット上では前回の不倫をする役以上にさまざまな反響が巻き起こっています。プライベートの状況と役柄のギャップに対し、視聴者からは驚きの声や厳しい意見がある一方で、その振り切った演技を評価する声もあり、大きな関心を集めているのは間違いありません。
昨今、不倫をテーマにしたドラマは珍しくなく、様々な俳優が不倫をする側・される側を演じています。同作のトリプル主演の1人には元HKT48・IZ*ONEの矢吹奈子さんも名を連ねており、清純派や元アイドルがドロドロの愛憎劇を演じる中で、あえてスキャンダルの渦中にあった篠田さんを抜擢したのは、制作側のキャスティングの妙だと言えるでしょう。賛否はあれど、SNSで議論が白熱すれば結果的に大きなプロモーション効果が得られるため、篠田さんの存在は強力な宣伝塔となっているのです。

画像:株式会社AbemaTV プレスリリース
唐田さんや伊藤さんが、小規模な映画や配信作品などから段階的に復帰への足場を固めていったのに対し、篠田さんのケースは対照的です。プライベートの騒動から間を置かず、あえて地上波ドラマで不倫をする役を振り切って演じ、離婚から再婚までの展開の早さも相まって大きな話題を呼びました。ここには、世間の関心が高いタイミングで起用し、ドラマの起爆剤にしたいという制作側の狙いが見え隠れします。
一度は逆境に立たされたものの、そこから這い上がろうとする俳優たちの執念と確かな演技力。そして、話題性だけでなく彼らの実力に賭けた制作側の熱意。これらが合致した結果が、今期のキャスティングに表れているのではないでしょうか。
<文/エタノール純子>
エタノール純子
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中