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月6万円で買える素敵ハウス…これ団地じゃん!?【シングルマザー、家を買う/6章】

<シングルマザー、家を買う/6章>

バツイチ、2人の子持ち、仕事はフリーランス……。そんな崖っぷちのシングルマザーが、すべてのシングルマザー&予備軍の役に立つ話や、役に立たない話を綴ります。

(前号までのお話)
 不動産屋で門前払いされたあと、涙目で駆け込んだ別の大手不動産屋。そこにいたラガーマンみたいな男性は親身に話を聞いてくれ、「家を売ってみせます、絶対に!」と熱く宣言した。さっそく翌日から、家探しが始まった。

ラガーマンは胸を張った。「団地です!」



 不動産屋に乗り込んだ翌日。

 朝の10時に再び不動産屋に足を踏み入れると、昨日のラガーマンが受付で待っていてくれた。今日もやっぱり歯が白い。

 平日のため、子どもたちは保育園に預け、不動産屋での顛末を半泣きで説明すると「あんた1人だからなめられんのよ!」と啖呵を切った私の母親を連れ、ウキウキで内覧に向かったのだ。

 一体どんな素敵ハウスが待っているのだろう。

 もしかしてずっと憧れていたメゾネットかな~。

 それとも、ちょっと狭いけどキレイなオートロックのマンションかなぁ。

 団地育ちの私には、もう、団地以上の素敵ハウスが世の中に多すぎて、本当に文字通りウキウキしていたのだ。実際に足が浮いていたかもしれない。

 そして「本日行く場所はここです」と紹介されたのは見覚えのある間取り。

 あぁ、ここって孤立している部屋のように見えて居間に声が筒抜けなのよねぇ~。とか、この押入れで小さな頃寝たわ~とか、この戸袋にだいたい貴重品隠すよねぇ。とか…。

間取り図 …え、団地じゃん。

「あの、やっぱり団地ですかね~」

 とお茶目に聞いてみたものの、ラガーマンは胸を張って「予算的にこの辺だと団地になりますね!」とハッキリくっきり答えてきた。

 だよね。

 まぁ、よく考えてみればこの辺は団地しかないし。一軒屋に住んでいたのは地主だけだったし。団地のなかで賃貸か分譲かでなんとなくカースト制度があったし……。私の実家は、私が高校生のときに賃貸の団地から分譲の団地に引っ越して、なんとなく独り立ちした気持ちになったし!

 いや、団地が悪いわけじゃない。見事な四角だし! 給水塔カッコイイし! 丈夫だし! オートロックなんていらない。むしろ鍵なんていらない! だってみんないい人だもん! 私、この街で育ったから知ってる! 団地に住んでる人に悪い人はいない!

 よし、団地に住もう。

物件のインテリア

4LDKで1580万円。すばらしいじゃないか



 一瞬で気持ちを切り替えて団地に住むことを決意した私は、団地の中でも間取り、広さ、階数、そして値段を見比べて、内見するのは2軒に絞ることにした。

 ラガーマンが持ってきた間取り図の2軒のうち、1軒は100平米もある4LDKだった。シングルマザーで100平米って…。まぁ、大は小を兼ねる。なるべくでかいほうがいい。うちには2人の子供と、ヒョウなのかな、って勘違いするほどのネコ・プー太郎(8.5kg)がいるのだから。4LDKなら、私と娘、息子のみんなに部屋が行き渡る。すばらしいじゃないか!

 気になるお値段は1580万。

 ……安い!

 35年ローンで毎月6万くらい払えば払い終わる。よし、見てみよう。

⇒【後編】「内見した部屋の壁には、大きな穴が…」に続く
http://joshi-spa.jp/187353


<TEXT/吉田可奈 ILLUSTRATION/ワタナベチヒロ>

⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】

【吉田可奈 プロフィール】
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、音楽ライターを目指し出版社に入社。その後独立しフリーライターへ。現在は西野カナなどのオフィシャルライターを務め、音楽雑誌やファッション雑誌、育児雑誌や健康雑誌などの執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘はネットで見かけた名言“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky

シングルマザー、家を買う

年収200万円、バツイチ、子供に発達障がい……でも、マイホームは買える!

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