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肉汁ジュバァッ!スーパーの安い牛肉が“極上ステーキ”になる「焼き方」

 ステーキを上手に焼くのは案外難しい。  焼きすぎてかたくなったり、中が冷たいままだったり……。じゃあ! と奮発しても値段ほどの満足は得られなかったり。ところが! いま肉好きの間で話題騒然となっている『大人の肉ドリル』(マガジンハウス)の著者、松浦達也さんいわく「ちょっとしたコツさえつかめば、口のなかに肉汁がジュバァッ!とあふれる超おいしいステーキを誰でも焼けますよ」。なんですってー!
『家で肉食を極める! 肉バカ秘蔵レシピ 大人の肉ドリル』(松浦達也/マガジンハウス)

『家で肉食を極める! 肉バカ秘蔵レシピ 大人の肉ドリル』(松浦達也/マガジンハウス)

 というわけでさっそく、その超おいしい“おうちステーキ”の焼き方のコツを教わってきました。 肉汁ジュバァッ!スーパーの安い牛肉が”極上ステーキ”になる「焼き方」

肉の内部温度は60℃台に

「細かい仕組みで言うと、肉は加熱すると50℃台でやわらかくなり、さらに加熱を続けると肉に含まれる液状のタンパク質が55~65℃で豆腐状に凝固します。また肉基質中のコラーゲンは60℃前後以上で収縮して、肉から水分が絞り出される。 70℃を超えたらもう肉汁はないものと覚悟すべき。内部温度は60℃台にとどめるのが理想です」(松浦さん)  以下は53.5~71℃まで6段階の、肉内部の写真。60℃台中盤から、灰褐色になって、見た目にも60℃台前半以下とは驚くほど異なる。 ⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=202044

おいしいステーキを焼くための3大ポイント

 目指すべき肉の内部温度は60℃台。「焼き方さえ覚えれば、肉は勝手においしくなってくれます」という松浦さんに教えてもらったステーキの焼き方はコチラ! (1)表面に焼き色をつける  ステーキの理想は「表面に焼き目がきっちり入っていて、そのすぐ内側から中心部までがロゼ色になるような仕上がり」。じつはこの“焼き目”もおいしいステーキ肉の重要な要素。焼き目ができるのは「メイラード反応」と呼ばれる化学反応で、うまみと香りをふくらませることにつながるとか。焼き目がついているほうがおいしそうなのは見た目だけの問題じゃなかった! (2)焼き続けずに休ませる  強火でサッと焼き目をつけたら、火を止め、肉を「温かい場所」で休ませます。肉表面から余熱がじわじわ伝わり、じっくり加熱が進むことで、コクをつかさどるペプチドや旨味そのものといえる遊離アミノ酸が増幅するそう。 肉を休ませるときは、「揚げ網」が便利(Amazonなどで数百円程度と安価で購入できます)。網がない場合は、クシュクシュにしたアルミホイルの上に肉を載せてもOK。何はともあれ “余熱で加熱”が重要です。 (3)最強の公式「(強火で表裏10秒加熱+休ませ2分)×n回  知っておく公式はたったひとつ。 「(強火で表裏各10秒加熱+休ませ2分)×n回」さえ覚えておけば、応用は自由自在。肉がちょうどいい温度になるまで、強火で表裏を10秒再加熱し、火を止め、再び2分休ませる……を繰り返します。スーパーで売っている1cm厚程度のステーキ肉であれば、「(強火で表裏10秒加熱+休ませ2分)×2回」が目安です。 ⇒【後編】「誰でもできる”焼き”の手順と、やっちゃいけない2大NG」に続く http://joshi-spa.jp/202257 <取材・文/島影真奈美> 【松浦達也さんプロフィール】 編集者/ライター。「食」ジャンルでは「食べる」「つくる」「ひもとく」を標榜するフードアクティビストとして、テレビ、ラジオなどで食のトレンドやニュース解説を行うほか、『dancyu』などの料理・グルメ誌から一般誌、ニュースサイトまで幅広く執筆、編集に携わる。著書に『家で肉食を極める! 肉バカ秘蔵レシピ 大人の肉ドリル』(マガジンハウス)ほか、参加する調理ユニット「給食系男子」名義で企画・構成も手がけた『家メシ道場』『家呑み道場』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はシリーズ10万部を突破。Twitter:@babakikaku_m
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