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か、勘違いしてしまう! ジムのトレーナーとホストは紙一重!?【シングルマザー、家を買う/25章】

<シングルマザー、家を買う/25章>

バツイチ、2人の子持ち、仕事はフリーランス……。そんな崖っぷちのシングルマザーが、すべてのシングルマザー&予備軍の役に立つ話や、役に立たない話を綴ります。


(前号までのお話)
ジムの担当トレーナーが極上のイケメンであることに喜ぶシングルマザーだったが、彼の前で体重計に乗るという辱めを受ける羽目に。そのうえ、「目標は2カ月で-14kg」と言われ愕然とするも、“脱女子プロ”への決意を新たにするのだった。

キツい食事制限



 この日から、辛い、辛いダイエットが始まった。

 私が行ったダイエットは、食事制限と、週に2回、50分の筋トレが主となっている。

 なによりも、食事制限がキツすぎるのだ。食べてはいけないものは、炭水化物の米やパスタはもちろん、根菜、トマト、果物、ジュース。お菓子やお酒は論外。食べていいものは葉物の野菜と、お肉、お魚など。

 うちには育ちざかりの2人の子供がいるので、夜は鍋やサムギョプサルがメインとなり、そのおかずと一緒に子供たちにはお米を与えた。

 食事制限中は、すべてのメニューをイケメンにメールで教えなくてはならない。イケメンはそれにちゃんと毎日返事をくれ、そこに「頑張っていますね!」「いい調子です」「これで行きましょう!」と一言を添えてくれるのだ。(注:相手も私も仕事)

 さらに筋トレ時は、今までの人生では経験したことがないほど応援してくれる。腹筋の限界を超えると、イケメンは笑顔で「もっとできます! 頑張れます!」。さらにスクワットでも限界を超えると、「頑張っている姿っていいですね!」と意味もなくほめてくれるのだ。これはすごい、勘違いしてしまう。……勘違いしてしまうぞ、これは!

トレーナーとホストは紙一重



 ダイエットを開始して3週間ほどたった時、親族の結婚式を控えた私は、イケメンに式で出る食べ物を食べていいか相談した。

 すると、少し困った顔をしてこう答えたのだ。

「まぁ、あまり食べてほしくはないんですけどね。でも、大丈夫です」

 何が大丈夫なんだ……。そう思っていると、最高の笑顔でこう続けた。

「……僕は、吉田さんを信じていますから!」

シングルマザー、家を買う/25章 ノックアウトである。ここまで言われたら、頑張るしかない。

 私、頑張る!

 最高に単純な私は、この弟気質のイケメンのおかげでモチベーションを保つことができたのだ。この話を友達に話したら、「それ、ホストじゃん」とぶった切られた。

 商法は違えど、やり方は一緒だ。きっと、あの美女がカウンセリングで私の気質や合うタイプのトレーナーを見抜いたのだろう。さすがや、あいつ。ただの美女じゃない。

 もし、私がドSタイプだったら、ドMタイプを。その逆もあったに違いない。それだけトレーナーを揃えているに違いない!(未確認だけど)

 でもいい、それでもいい! バツイチ子持ちにとって、このイケメンのやさしさはたとえ仕事だとしても嬉しいのだから! たとえ仕事だとしても!

 なんだか不動産屋のラガーマンのときと似たような気持ちになりながらも、イケメンのおかげでこの仕事に一生懸命取り組むことができていた。

ダイエット中盤の高い壁



 しかし、開始から1カ月が経ったあたりに、様々なところに不調が起きることとなる。

 まず、体調が崩れ始めたのだ。そりゃそうだ。栄養分が完全に足りていないのだから。栄養としてサプリは摂取しているが、それでは足りない。これで育児と原稿……このダイエットも仕事だと思っても、さすがに辛い。

 それをイケメントレーナーに伝えると、びっくりする答えが返ってきた。

「みなさん、そうなるんですよ。でも、この壁を乗り越えれば強くなりますから!」

 ……あれ、この子ちょっとアホなのかな。

 そこには、栄養不足のため、言葉をヴェールに包むことができなくなっていた私がいた。しかし、そんな突っ込みどころ満載なイケメンの言葉も、まぁ、痩せるなら、仕方ないかと思い始めていた。実際、この頃にはすでに6kg痩せていたのだ。

 一方で娘からも苦情が出てきた。毎日のように鍋やシンプルな肉&野菜料理がテーブルに出るため、「ハンバーグが食べたい! パスタが食べたい! 鍋禁止!」と不満が爆発したのだ。

 だよね……。

 その次の日から娘と息子は別メニューにして、さらにダイエットに励むことにした。ゴールはあともう少しである。

⇒【後編】「『筋肉に殺されたい』イケメン・トレーナーの正体が判明」に続く http://joshi-spa.jp/280505

<TEXT/吉田可奈 ILLUSTRATION/ワタナベチヒロ>

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【吉田可奈 プロフィール】
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、音楽ライターを目指し出版社に入社。その後独立しフリーライターへ。現在は西野カナなどのオフィシャルライターを務め、音楽雑誌やファッション雑誌、育児雑誌や健康雑誌などの執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘はネットで見かけた名言“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky

シングルマザー、家を買う

年収200万円、バツイチ、子供に発達障がい……でも、マイホームは買える!

シングルマザーが「かわいそう」って、誰が決めた? 逆境にいるすべての人に読んでもらいたい、笑って泣けて、元気になる自伝的エッセイ。

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