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「結婚できない女は欠陥がある」と言うヤツこそ欠陥がある

「結婚したいのに結婚できない女性は何かしら欠陥がある」

 婚活指南などでそのように独身女性の非難をする人、見たことありませんか? たとえば、東村アキコ氏の漫画『東京タラレバ娘』(講談社)もそのようなメッセージを投げ続ける作品として有名です。また、先日、占い師のゲッターズ飯田氏が、「結婚したいのに結婚できないのは性格が悪いからだ」と独身女性を非難したことがネットで話題になりました。周りにもそのような「独女欠陥論」を整然と語る人物がいる、という人も結構いるのではないでしょうか?

独女 言っている本人は毒舌キャラのつもりなのかもしれません。もしくは愛のムチだと思って発言しているのかもしれません。ですが、それを聞いて何となく傷付いたという経験のある人も多いはず。それもそのはず、「毒舌」でも「愛のムチ」でもなくて、ただの「人格否定」「セクハラ」に過ぎませんから(セクハラは同性間でも成立します)。

 そもそも、よく考えて欲しいのですが、そのように独女欠陥論を言っている人の認知能力のほうこそ、欠陥があるのではないでしょうか?

 確かに性格が悪い独身者がいるのは事実ですが、それと同じくらい「性格が悪い既婚者」も普通にいますよね。モンスタペアレントもほぼ既婚者です。婚活詐欺殺人事件を犯した木嶋佳苗被告のように、とんでもない殺人犯でありながら、獄中結婚する人もいるくらいです。結婚はあくまでマッチングの問題なので、性格の良し悪しはほとんど関係ありません。

 また、現代の日本社会では、都会在住の女性のほうが地方在住の女性よりも非婚者は多いですし、学歴が大卒以上の人のほうが高卒の人よりも非婚者は多くなっています。では、都会在住の女性や大卒以上の女性のほうが、欠陥がある人が多いというのでしょうか?

 そんな関連性、全くありませんね。

結婚はあくまでタイミングに過ぎない



 独女欠陥論者たちは、他にも独身女性たちを責めたてます。たとえば、ファッションもその一つでしょう。独身女性たちに対して、「もっと着飾れ!」「男受けを狙え!」とまくし立てます。

 ですが、幼稚園や保育園(高級住宅街をのぞく)に送り迎えしている母親たちはそのような格好をしている人が独身女性よりも多いのでしょうか? もちろんそんなことはありませんね。そもそもオシャレにさほど興味が無いように見える人だってたくさんいるくらいです。

 結婚はあくまで、結婚したい相手がいるか、相手も結婚したいと思っているか、そのタイミングが一致したか、などに影響されるものであり、自分一人でどうにかなるものではありません。ましてや能力とは一切関係ありません。独女欠陥論者は独身女性のせいにしようと必死ですが、冷静に考えれば、「いや、あなたの言っているようにはしていない既婚者もたくさんいますよね?」という話に過ぎないものばかりなのです。

4人に1人が未婚の時代に、古い常識を引きずっている



 また、拙著『恋愛氷河期』でも、社会や女性のライフスタイルが急速に変化しているのに、結婚観がいまだに変化していないという「ズレ」があることについて詳細に書きましたが、独女欠陥説を唱える人たちはそれすら理解できていないので、やはり理論に欠陥があると言わざるを得ません。

 確かに結婚することが当たり前だった昔は、性格に問題がある人は既婚者よりも独身者のほうが確率的に多かったというのはある程度事実なのかもしれません。ですが、もう今は21世紀ですよ? 4人に1人が生涯未婚の時代ですよ? いつまで昔の常識を引きずっているのでしょうか。その時代錯誤な常識をいまだに引きずっている「ちょんまげスピリッツ」のほうが欠陥でしょう。

独女 

くだらない独女欠陥論はスルーしましょう



 他にも、婚活市場では男性が「自分より年収の多い女性は気が引けるから嫌」と言って避けることがよくありますが、女性の高所得って欠陥なのでしょうか? もちろん何一つ欠陥ではありませんよね。むしろ高所得の女性を意図的に避けるくだらない男のプライドや「男性が上で女性が下」という古い結婚観のほうが、明らかに欠陥があるでしょう。

 社会の欠陥や、一部の男性の結婚観の欠陥を、独身女性の欠陥だと誤認してしまう、独女欠陥論者の観察力のほうこそ欠陥があるわけです。

 さらに、彼ら・彼女らの言う「性格が良い」とは「男性にとって都合の良い女性」「男性に表向き良い顔をする女性」に過ぎません。この時代にもなって「男性にとって都合の良い女性」を「性格が良い女性」だと混同してしまう程度の認知レベルの人は、もうメディアで恋愛・結婚を語ったらダメでしょう。それくらいの区別が分からない認知能力のほうこそ欠陥だと思います。

 このように独女欠陥論のほうこそ欠陥があるものなので、華麗にスルーすることをおすすめします。ですが、残念ながら独女欠陥論者がどこに生息しているか分かりません。ですので、相手が独女欠陥論者かどうかわからないうちは、なるべく「結婚したい」とは言わないように心掛けたほうが良いと思います。

勝部元気

イルミネーションとともに。本年もよろしくお願いいたします(勝部)

⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】

【勝部元気】
1983年東京都生まれ。コラムニスト・社会起業家。専門はジェンダー論、現代社会論、コミュニケーション論、教育論等。他にも所持資格数は66個にのぼる(2015年6月現在)。働く女性の健康管理を支援するコンサルティング会社(株式会社リプロエージェント)の代表取締役CEO。ブログ『勝部元気のラブフェミ論』(http://ameblo.jp/ktb-genki/)、twitterは@KTB_genki。初の著書『恋愛氷河期』が発売中

勝部元気
1983年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。コラムニスト・社会起業家。専門はジェンダー論、現代社会論、コミュニケーション論、教育論等。他にも幅広い知識習得に努めており、所持資格数は66個にのぼる(2015年6月現在)。雑誌・TV・web等でコメンテーター活動をしている他、働く女性の健康管理を支援するコンサルティング会社(株式会社リプロエージェント)の代表取締役CEOを務めるなど、各種ソーシャルビジネスに携わっている。ブログ(http://katsube-genki.com/blog/)は、男性なのに子宮頸がん予防ワクチンを打ったレポートが話題となった。twitterは@KTB_genki 。初の著書『恋愛氷河期』(小社刊)は発売中
恋愛氷河期

著者は、ナンパ禁止論や反・不倫論で話題を呼んでいるコラムニスト。男性から、かつ若手からの立場で、女性に厳しい社会に真っ向からダメ出しをする。




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