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3歳から嵐ファン!アイドル好きは遺伝する【シングルマザー、家を買う/41章】

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 バツイチ、2人の子持ち、仕事はフリーランス……。そんな崖っぷちのシングルマザーが、すべてのシングルマザー&予備軍の役に立つ話や、役に立たない話を綴ります。


 あけましておめでとうございます。この連載も、開始から1年を迎えることができました。離婚し、家を買うというシングルマザーライフの山場を越え、いまはすっかり穏やかな育児エッセイとなっていますが、今年もゆるりと楽しんでもらえたら嬉しいです。

シングルマザー、家を買う 新年一発目となる今回は、娘がいかにしてイケメン好きになったか分析してみようと思う。

やけに発達した娘のイケメンサーチ力



 現在8歳、小学校2年生の娘のイケメンサーチ力は、原宿の竹下通りでキャッチをする芸能事務所のマネージャーより鋭い。街を歩いていると、ふと後ろを振り返り、「ママ、今の人めっちゃイケメンだった……」と声をかけてくるので振り返ると、たしかにイケメン。しかも、そんなイケメンはそうそう遭遇しないので、娘がこの発言をするのは月に1度か2度くらい。そう、決して妥協はしないのだ。

 娘がイケメンに反応するようになったのは3歳くらいの頃。私が仕事として携わるイケメン俳優を集めた雑誌をぺらぺらとめくるようになった。そこで娘は「ママ、この人カッコいい~」とそこらへんにあった折り紙をそのページに挟み、印をつけ始めたのだ。

シングルマザー、家を買う/41章……え、イケメンにしおりはさむの!? 3歳で!?

 しかし、あまりここをツッコむのもなんだし、泳がすと面白そうなので放っておくと、そのしおりシステムがかなり便利だということに気付いたらしく、イケメン雑誌が次々と折り紙だらけになっていた。

 そんなある時、初めて娘のイケメンセンサーが家の外で反応した。保育園に電車で通っていた当時、最寄り駅にはアイドルなどがモデルとなった巨大ポスターがよく飾られていた。その時はちょうど、嵐のメンバーがこちらを向いてにっこり笑っているものだったのだが、娘はそれを見て目をキラキラさせているではないか。

 しかし、嵐のメンバーの名前など娘は知らないはずだった。私がジャニオタだったら別だが、我が家では特に「嵐」というワードがでることもないのだ。しかし、娘は松潤を指さし、完全に大きな声でこういったのだ。「あ! あらしだ!」と。

 一体どこで覚えたのだろう。文字もろくに読めない3歳児が嵐を。きっとテレビの影響だろう。でも、松潤のことをしっかりと覚えて、嵐と紐づけた娘に、私はある種の才能を感じてしまった。

受け継がれるイケメンへの情熱



 そんな娘の資質は誰から受け継いだものなのか、心当たりがあった。それは、私の母。そう、ばぁばは本気のアイドルオタクなのだ。フォーリーブスのおっかけをするために上京し、その後はSMAP、KinKi Kidsとファンクラブに入り、10年ほど前から韓流に鞍替えをし、いまは1人の韓流俳優、ジョンフン(ちなみに娘の私と同じ年)に首ったけである。

 ある時、韓流ドラマを母と私と娘の3人で見ているとき、ビルから落ちて死ぬという死体の役の人が映しだされた。その時間は約30秒ほど。顔が見えているのはほんのちょっとである。そこでばぁばは静かにリモコンで一時停止ボタンを押し、もう一度、その自殺のシーンを振り返ったのだ。

「え、なんでここまた見るの?」

 そんな答えに、ばぁばは、静かにこういったのだ。

「絶対この人イケメン」

 え? 死体の人!? 30秒しか映ってないよね?

 そして、クレジットを調べてその人のプロフィールをものすごい速さでスマホで検索すると、……たしかに見間違うことなきイケメンが!!!! す、すごい……。

シングルマザー、家を買う/41章_2 そんな孫とばぁばの気が合わないわけがない。

 その後、ばぁばが再生したジョンフンのコンサート映像に、嬉しそうにサイリウムを振る娘とばあばの後ろ姿は、とても輝いていた。

 あれから数年。確実にそのイケメンを見る目は成長している。クラスの男子にその厳しいおめがねにかなう子がいるわけもなく、「ろくな男子がいな~い」とぼやく日々……。

 このままでは容姿だけの中身がない男を好きになり、苦労するのは目に見えている。そして、理想だけを追求し、一生独身なのも想像に難くない。

 しかし、シングルマザーの私が大黒柱の家で育つと、父親や大人の男性が近くに存在しないため、どうしても身近な男性がアイドルになってくる。だからこそ、娘の目は日に日に肥えていくのだった。

 そして今日も、娘はイケメン雑誌をぺらぺらとめくっている。そんな娘の将来が、心配でもあり、楽しみでもある。

<TEXT/吉田可奈 ILLUSTRATION/ワタナベチヒロ>
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【吉田可奈 プロフィール】
80年生まれ、フリーライター。西野カナなどのオフィシャルライターを務める他、さまざまな雑誌で執筆。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘は“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky

※このエッセイは隔週水曜日に配信予定です。

吉田可奈
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、音楽ライターを目指し出版社に入社。その後独立しフリーライターへ。現在は西野カナなどのオフィシャルライターを務め、音楽雑誌やファッション雑誌、育児雑誌や健康雑誌などの執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘はネットで見かけた名言“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky
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