――他にもオススメの漫画はありますか?
続いて紹介するのが、人物を美しく描きながら、とにかくエロい、北川みゆき先生です。その最新作が、現在『プチコミックス』(小学館)で連載中の『みだらな熱帯魚』。

学生時代は水泳部の選手で、現在は男性情報誌で働くという主人公の海月愛梨(みづきえり)は、ある日、女性誌の部署へ異動になるのですが、そこで、仕事はできるけど超マイペース、オレ様気質の先輩、叶雄星(かのうゆうせい)と出会います。
最初は叶に反発していた海月ですが、彼の隠された過去を知るうちに、惹かれはじめていくというストーリーです。
注目は、2人の初対面シーン。プールサイドを歩く海月が足元のタオルを拾おうとすると、同じタオルを叶が水中から手を伸ばして取ろうとし、そのまま海月が引っ張られて、プールにドボン! どうです、この出会い方! しかも、いろいろあって二人はそれからシャワー室で結ばれるという(笑)。
しかも、それがちゃんと伏線になっていて、のちに2人が初めてちゃんとベッドで結ばれたときに、海月が叶の優しさの違いに感動する展開になっています。こういうところも北川先生はお上手ですねぇ……。
さらに叶の名言の数々も読みどころ。「
知らない間に、そんな女の顔で、ちくしょう、オレを誘うな」とか、「
やばい、中学生のガキより余裕ねぇな」など!
――かなりキザなセリフですね
でも、そのキザな態度の男性が、ふいに乱される瞬間に、女性はグッとくるんです。あと、北川先生は、思わず触れてみたくなるほど、体つきや髪の毛も繊細な柔らかいタッチで描いています。普段、セクシー系の少女漫画を読まない人でも、興味を持ったら、ぜひ読んでもらいたいですね。

もうひとりセクシー系の漫画家さんを紹介させてください。『はあはあ』『お・ぼ・れ・た・い』『ダーリンは生モノにつき』など、こちらもグッとくるタイトルで知られる、吉原由起先生です。官能的で性描写を隠さずに描いているので、ちょっと書店で買いづらいかもしれませんが、意外にも中身は軽快なテンポのコメディなので、こちらもオススメです!