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ラーメン屋なのに経験ゼロ…コロコロ変わる店のヒミツ

 「あれ?ここ、また店が変わった」と思って入ってみたら、やっぱりマズかった…という経験はないだろうか?    近年、飲食業界では「居抜き」が流行っているという。前の店の設備をそのまま使うことで、開業のハードルである初期投資が安く済み、気軽に出店できるようになったのだ。  こうした流れの中で、店舗流通を扱う業者も登場。流行する店舗売買の裏側で繰り広げられる、飲食業界の仁義なき戦いを取材した。 飲食業界

出店経費を抑えたつもりが…

 当初、居抜きビジネスはトラブルが絶えなかった。その理由を、飲食業界のトラブルに詳しい石崎冬貴弁護士が解説する。 「居抜きでありながら、退去時にはスケルトン(内装がゼロの状態)に戻すという条項をこっそり入れておくんです。設備の撤去には数百万単位の費用がかかるのですが、店舗側は出店時に保証金や敷金といった人質を取られているので、抗えない。居抜きで出店経費を抑えたはずが、その経費を最後に払わされるようなものです」  ここ数年は、事前に契約条項を確認することが当たり前となって、落ち着いてきたという。  一方、居抜きが店舗を丸ごと買う手法なのに対して、飲食チェーンごと買ってしまおうというのが「チェーン買収」。店舗数を飛躍的に増やせて、規模の利益を生み出すメリットがあるが、「止まったら終わり」のチキンレース的な側面もあると飲食コンサルタント・S氏は語る。 「飛ぶ鳥を落とす勢いのあるグループは、買収費用を捻出するために、取引業者への支払いを先送りにしているといいます。買収が成功しているうちは業者も言いなりになるほかありませんが、一度つまずいたらドミノ倒し的に崩壊しますね」
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